前回は「Google Vids」でテンプレートを使い、簡単に動画を作成する方法について説明しました。今回はより実践的な形でビジネス動画を作成する方法について説明します。

「Google Vids」でビジネスでも使える動画を作成

とはいえ、いきなり動画を作るといっても、撮影から始めるのはハードルが高いと思う人がほとんどかと思いますので、まずは、プレゼンテーション資料を動画にすることから始めてみましょう。プレゼンテーション資料であれば社内に多くのファイルがあるので、あまり手間をかける必要なく簡単に動画にできるからです。

実際、Google Vidsは動画を作成する方法の1つとして「Googleスライド」にあるプレゼンテーションのファイルをインポートし、動画にする仕組みが備わっています。これを活用すれば動画のベースは簡単に作成できますので、まずは新規動画作成時に「スライドをインポート」を選びましょう。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    プレゼンテーション資料から動画を作成するには、「Google Vids」で動画を新規作成する際に「スライドをインポート」を選ぶ

続いて動画にしたいファイルを選ぶと、Google Vidsにインポートするスライドを選ぶ画面が現れます。スライドの中から必要なものだけをピックアップして動画にすることもできますが、すべて動画に取り込みたいならそのまま「インポート」ボタンをクリックすればOKです。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    「Googleスライド」に保存したプレゼンテーションファイルの中から必要なものを選んだ後、動画にしたいスライドを選択(1)した後に「インポート」ボタン(2)を押す

すると、下部のタイムラインに取り込んだスライドがシーンとして並んだ状態となり、シーン自体をドラッグ&ドロップして順番を入れ替えることも可能です。なお、デフォルトでは1シーン当たりの再生時間は5秒となりますが、特定のシーンをより長く見せたいのであれば、そのシーンにマウスカーソルを合わせた後、左右に現れるバーをドラッグして時間を調節して下さい。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    スライドがインポートされるとタイムライン上にシーンとして並ぶので、長さを調節するなら各シーンにマウスカーソルを合わせると現れる左右のバーをドラッグする

これだけでも最低限動画にはなるのですが、単にスライドが切り替わるだけで音もなく、味気ない内容になってしまうことも確か。そこでここから、より動画らしくするための演出を加えていきましょう。

まずは、シーンが切り替わる時のエフェクトを加えてみましょう。シーンとシーンの間にある切り替え効果をクリックすると、切り替え効果を変更するサイドバーが現れるので、その中から好みの効果を選んで下さい。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    シーンの切り替え時にエフェクトを加えるには、シーンとシーンの間にある切り替え効果(1)をクリックし、サイドバーから好みの効果(2)を選ぶ

効果を選ぶと、内容によってはエフェクトが働く時間や方向などを調整できます。好みに応じて調整するといいでしょう。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    選んだ効果によっては、効果の時間や方向などを選択することも可能だ

また、取り込んだスライドに不足する内容があった場合は、タイムライン右端の「+」ボタンを押してシーンを追加することも可能です。

Google VidsはGoogleスライドに近い感覚でシーンの内容を編集でき、例えばテキストを追加したい場合は、右端の一覧から「テキスト」を選んだ後、現れたサイドバーから必要なサイズのテキストを選び、追加していけばOKです。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    シーンを追加したい場合は「+」ボタン(1)を押す。そこにテキストを追加したいなら、「テキスト」(2)を選んでサイドバー(3)を開き、必要に応じたものを追加していけばよい

動画に音を付ける

そしてもう1つ、動画らしくするのに欠かせないのがBGMです。Google Vidsには無料で利用できるストック素材もいくつか用意されており、画像や動画だけでなく、音楽も多く揃っていることから、これを利用することにしましょう。

まずは、画面右端の「ストック」をクリックした後、現れたサイドバーから「音楽」を選んで下さい。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    BGMを追加したい場合は、「ストック」(1)を押した後にサイドバーから「音楽」(2)を選ぶ

すると音楽のストック一覧が現れるので、その中から好みのものを選ぶとタイムラインの下に音楽が追加されます。ちなみに音楽などのストックは、ジャンルやキーワードなどで検索することも可能です。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    するとGoogle Vidsで利用できる音楽のストック一覧(1)が現れるので、好みのものを選ぶとタイムラインの下部に追加される(2)

ちなみに音楽の長さも、シーンと同様にマウスカーソルを合わせた後、現れる左右のバーをドラッグすることで調整可能。ですがより動画らしくするなら、動画が終わったタイミングでBGMが突然切れるのではなく、フェードアウトするようにしたい所です。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    音楽の長さもシーンと同様、マウスカーソルを合わせてから左右をドラッグして調節できる

そこで続いては、タイムライン上で音楽を右クリックした後、メニューから「音声調整」を選びます。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    音楽をフェードアウトさせるには、まずタイムライン上で音楽をクリックし、メニューから「音声調整」を選ぶ

するとサイドバーが開いて音の調整が可能になりますので、「このトラック」タブを選んだ後に現れる「音声切り替え」の「フェードアウト」で、BGMがフェードアウトするまでの秒数を設定しましょう。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    サイドバーが現れたら「このトラック」タブ(1)を選び、「フェードアウト」の長さを設定すればよい

これでプレゼンテーション資料が動画らしく仕上がりましたので、後は「再生」ボタンを押して内容を確認してみて下さい。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第119回

    再生ボタンを押して作成した動画を再生したところ。単にスライドを取り込んだだけの状態と比べると、かなり動画らしくなっている

なお、制作に慣れてきたら、BGMの代わりに音声でナレーションを吹き込んだり、シーンの間に撮影した動画を挟んだりするなどしてアレンジを加え、より本格的な動画に仕立て上げてみるとよいのではないでしょうか。