スペイン・バルセロナで開催中のMobile World Congress(MWC 2024)においてMicron Technologyは2月27日(欧州時間)、Samsung Electronicsの最新型スマートフォン(スマホ)「Galaxy S24シリーズ」(具体的にはGalaxy S24、S24+、S24Ultra)に自社のLPDDR5XメモリならびにUFS 4.0製品が搭載されたことを明らかにした。Galaxy S24 シリーズは、Samsungの生成AIツールである「Galaxy AI」が搭載されており、Micronのメモリがこの機能をサポートしているという。

このGalaxy AIは、電話での会話中であっても双方向のリアルタイムの音声とテキストの翻訳を提供するインテリジェントな機能を備えている。また、Galaxy S24 シリーズは、Googleの「Circle to Search」を導入したことでも知られている。この機能により、ユーザーは画面上の画像やテキストを丸で囲んだりハイライトしたりするなどの直感的なジェスチャーを使用して、アプリ間を移動する必要がなく、迅速かつ徹底的な検索結果を確認できるようになる。さらに、「ProVisual Engine」と呼ぶ、AIによる画像補正機能も搭載されている。

Micronは、AIがスマホのハードウェア機能の限界を引き上げる中、それをメモリという側面から高い性能と高い電力効率を提供することでエッジでの実現に貢献したとしている。

提供されているLPDDR5Xは、同社の1βプロセス(10nm台の5世代目)ノードを採用したモバイル向けDRAMで、一方のUFS 4.0は、AIが動作するスマホで増大するデータ量を保存するための優れたパフォーマンスと低消費電力性を提供するとしている。

Micronのコーポレート・バイス・プレジデント兼モバイルビジネスユニットのゼネラルマネージャーであるマーク・モンティアス氏は、「Micronのメモリおよびストレージソリューションの高度なポートフォリオは、Samsungが新たなGalaxyで先駆的に進めている革新的なAI機能を強化するために選ばれた。MicroのLPDDR5XとUFS 4.0ソリューションがエッジで必要な重要なパフォーマンスとエネルギー効率を提供することにより、Galaxyユーザーは、高いレベルのAI機能を享受することができるようになった」とコメントしている。また、Samsungのバイスプレジデント兼技術戦略チーム責任者であるインカン・ソン氏は、「Galaxy AIは、コミュニケーションの壁を打ち破り、創造性を増幅させ、毎日の携帯電話の使い方を有意義に向上させてくれる技術であり、Micronのような志を同じくするイノベーターと協力することで、スピードとパワーを犠牲にすることなくAIの利点を提供することができ、最終的にはこれまでに見たことのないインテリジェントなエクスペリエンスを世界中の人々にもたらすことができた」とコメントしており、Micronとの協業の成果を強調している。