多くの日本人には、スマートフォン(スマホ)やスマートウォッチといったモビリティサービスで知られるHuawei (ファーウェイ)。だがそうしたいわゆるデジタルガジェット以外にも、実は企業や行政に向けたさまざまなスマートサービスを提供している。そんなファーウェイが本社を構える中国・深センツアーを日本のメディア向けに開催。同社が今後、力を入れていくテクノロジーの数々が公開された。

  • 深セン・坂田地区にあるファーウェイ本社 (画像提供:ファーウェイジャパン)

EVや自動運転システムで自動車メーカーと協業

日本に暮らす人にとってファーウェイブランドでなじみ深いのはスマホやスマートウォッチだろう。米国の経済制裁を受けたことを知っている人もいるだろうが、中国市場ではその存在感は健在だ。深セン市内に3カ所あるフラッグシップショップでは、最新の「Mate 60」シリーズや折り畳み式の「P50 Pocket」などのスマホを筆頭に、スマートウォッチやスマートグラス、さらには飲み忘れをアラートしてくれたり、飲む量を管理してくれたりするスマート水筒まで、さまざまな製品が展示され、多くの人が手に取っている様子を見ることができた。

  • 深セン市内に3カ所あるフラッグシップショップの1つ

  • 人気のP50 Pocket

  • オーディオグラスの需要も増えているという

  • 子どもに持たせる保護者も多いというスマート水筒

今回の訪問時、ファーウェイのフラッグシップショップの最前面を陣取っていたのは、自動車メーカーと協業した電気自動車(EV)の数々だった。Seresと共同展開するブランド「AITO」の「AITO M7」は、発売から2カ月半で10万台以上のオーダーが入ったという。また11月28日に発売されたばかりのブランド「LUXEED」の「LUXEED S7」も早速展示され、店頭で多くの人が試乗していた。これはChery Automobileとの共同展開ブランドで、スポーツとラグジュアリーの融合がコンセプトになっている。

  • AITO M7、後方はM5

  • AITO M7の車内

  • LUXEED S7

  • LUXEED S7の車内

また今回のツアーではファーウェイが開発した自動運転システムを搭載した試乗車に乗って公道を走る機会も得た。試乗車はレベル2.9の自動運転に対応したもので、車体に11のカメラ、16のレーダーが搭載されている。信号などと連動した4Gネットワークコネクションにより、走行時の障害物を「99%検知できる」とドライバーは説明していた。残りの1%は、今は存在せず、今後新たに出てくる可能性のある障害物や危険性を想定していると言う。実際、公道を走行していても、運転席を見ていなければ自動運転だとは気付かないほど、安定感のある走りだった。

  • 自動運転システムを搭載した試乗車。中国では緑のナンバープレートがEVを示す

  • 公道での自動運転の様子

多くの領域に広がるデジタルパワー事業

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