カプセルホテルを運営するナインアワーズは9月25日、東京医科歯科大学(TMDU)、ココロミルと共同で、カプセルホテルの宿泊者を対象とした「体動センサによる非侵襲的な心拍モニタリングと不整脈検出」に関する共同研究を開始したことを発表した。

ナインアワーズは、世界最大級となる24施設・約4000床のカプセルホテルを運営する企業で、2021年12月からはホテルの運営に加え、宿泊客を対象とした睡眠解析サービス「9h sleep fitscan」を行ってきた。同サービスは、カプセルホテルのベッド内に設置された各種センサから得られたデータをもとにして、宿泊客に睡眠状況を記録したレポートを提供するもので、その利用者は累計6万人に上るとする。

そして同社は今後、睡眠状態の記録にとどまらず、睡眠時の疾病リスク検知に関わる研究を積極的に進めていく予定とのこと。そこで今般、「病気で後悔しない社会へ」というミッションを掲げ、高精度なウェアラブル心電図を使った自宅でできる検査サービスを提供するココロミルと、TMDUとともに、不整脈を対象とした共同研究を開始する。

不整脈は高確率で脳梗塞の合併を引き起こすとされ、発症すると患者の生活レベルは著しく低下するため、早期発見が望まれている。その中で重要となる心房細動の検知には長時間のデータ計測が望ましく、長時間の安静状態となる睡眠時の計測が果たす役割は大きいと期待されているという。

そこで今回の共同研究では、カプセルベッド内に設置された体動センサから得られる心弾動図(心拍モニタリング手法の1つ)から不整脈を検出する手法の確立を目指すとする。

ナインアワーズなど3者は、カプセルホテルの宿泊者を対象とした今回の共同研究により、不整脈疾患の早期発見手法を確立し、早期診断や予防的治療に結び付けていくとしている。