兵庫県の養父市、吉本興業およびソフトバンクは9月8日、養父市でのWeb3を活用した取り組みを推進するため、「Web3の活用に係る取組に関する連携協定」を締結したことを発表した。この協定の締結に合わせて、3者は記者説明会を開催した。

記者説明会には、兵庫県養父市 市長の広瀬栄氏、よしもとエリアアクション 代表取締役社長の泉正隆氏、ソフトバンク サービス企画本部 本部長の原田賢悟氏が登壇した。また、その他に自身もメタバースを用いたライブを開催した経験を持つお笑いタレントのZAZY氏が司会として登壇した。

本稿では、その一部始終を紹介する。

  • ,左からZAZY氏、よしもとエリアアクション 代表取締役社長の泉正隆氏、兵庫県養父市 市長の広瀬栄氏、ソフトバンク サービス企画本部 本部長の原田賢悟氏、久代萌美アナウンサー

    左からZAZY氏、よしもとエリアアクション 代表取締役社長の泉正隆氏、兵庫県養父市 市長の広瀬栄氏、ソフトバンク サービス企画本部 本部長の原田賢悟氏、久代萌美アナウンサー

吉本興業はこれまでにも「あなたの街に住みますプロジェクト」という、47都道府県に芸人が移住し、地域を盛り上げる活動を行う地域密着型プロジェクトを実施していたり、地方創生をテーマにした放送局を開局したりするなど、地方創生に向けた取り組みを数多く行っている。

「これまでの取り組みに加えて、2022年7月には養父市と、最先端のデジタルイノベーションとエンタメを融合させたメタバースおよびタレントアバターを核としたプロジェクトを発足しました」(泉氏)

  • ,吉本興業の地方創生に関する取り組みを紹介する泉氏

    吉本興業の地方創生に関する取り組みを紹介する泉氏

この今回の協定の先駆けとも言える取り組みは、PCで利用可能な「バーチャルやぶ」という名称でローンチされており、ソーシャルVRアプリ「VR Chat」上に構築されている。そして今回、ソフトバンクと連携することで、この取り組みがより一層発展した。

具体的には、2Dメタバースプラットフォーム「ZEP」を活用することが可能になり、市の魅力の発信や市民の交流の拠点となるメタバース「バーチャルやぶ in ZEP」をオープンした。

「ZEP」は、ビデオ通話やチャット機能、NFTとの連携など多彩な機能を搭載したメタバースの構築ができる2Dメタバースプラットフォーム。

「ZEP」はブラウザからのアクセスが可能なため手軽に利用できるほか、リアルとメタバースの連携や、別のサービスとの連携などがスムーズにできたり、企業や自治体が課題や目的に応じて短期かつリーズナブルに独自のメタバースを構築したりすることができる。

また、5万人の同時接続に対応しているため、メタバースでの大規模イベントの開催も可能なサービスだ。

「『バーチャルやぶ in ZEP』上には、養父市の象徴的な景観を再現し、その中で市民同士の交流や、会議が行えるスペースを設ける他、養父市のニュースや天気、おすすめの地元産品など、市の魅力や情報を発信していきます。リアルと連動した吉本芸人によるイベントなども開催予定となっています」(原田氏)

  • ,「バーチャルやぶ in ZEP」について説明する原田氏

    「バーチャルやぶ in ZEP」について説明する原田氏

デモンストレーションとして司会のZAZY氏も「バーチャルやぶ in ZEP」を体験した。同氏が仮想空間上に作られたステージ上でネタを披露すると、バーチャルで参加した観客から拍手やハートマーク、コメントが送られていた。

  • ,デモンストレーションとして「バーチャルやぶ in ZEP」を体験するZAZY氏

    デモンストレーションとして「バーチャルやぶ in ZEP」を体験するZAZY氏

最後に、泉氏は以下のように今後の意気込みを述べた。

「弊社はメタバース技術を活用して、地域の魅力を国内外に広め、地域の活性化にこれまで以上に尽力します」(泉氏)