大日本印刷(DNP)は8月2日、宅配・通信販売・物流の事業者などに提供してきたラベル伝票について、製造工程で有機溶剤を使わない剥離紙に切り替えることでCO2排出量を削減するという、環境配慮型のラベル伝票を開発し、提供開始すると発表した。2025年時点で年間700トン以上のCO2排出量の削減を見込む。

  • 段ボールに貼ったラベル伝票のイメージ

  • 剥離紙を剥がすイメージ

デジタル・ネットワークの進展とスマートフォンなど情報端末の普及に加え、コロナ禍(新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大)での外出制限などもあり、オンラインショッピングの利用が広がっており、配送量が増えるにつれて、荷物に貼付する送り状のラベル伝票も増加している。

従来は剥離紙の製造工程で有機溶剤が使用しており、剥離紙の製造時に揮発した有機溶剤を回収して燃焼処理する工程でCO2を排出していた。今回開発したラベル伝票では、製造工程で有機溶剤を使わない剥離紙に切り替えることで、CO2排出量を削減するとしている。

ラベル伝票のように異なる用紙を複数の層に重ねて貼り合わせる製品には、一般的に反りや歪みが発生しやすいという課題があった。材料構成や工程を工夫することで、従来品と同等の品質でラベル伝票を製造可能になった。

同社は今後、DNPグループで製造する大半のラベル伝票を環境配慮型に切り替えていく予定だ。また、ラベル伝票以外の製品でも、環境配慮型の製品への切り替えを検討していく考えだ。