SAS Institute Japanと日本IBMは3月27日、コンコルディア・フィナンシャルグループの子会社である横浜銀行と東日本銀行が、SASの顧客リスク管理ソリューション「SAS Customer Due Diligence」を採用し、日本IBMがアプリケーションと基盤の構築を行い、マネーロンダリング、テロ資金供与対策の高度化を進めていると発表した。

国内の金融機関では、2019年に予定されているFATF第4次対日相互審査に向けて、マネーロンダリングおよびテロ資金供与リスクを適時・適切に特定・評価し、リスクに見合った低減措置を講ずること(リスクベース・アプローチ)が求められているという。

両行では、利用客の属性や商品、取引実績など多角的な情報を用いて、マネーロンダリングとテロ資金供与リスクの判断指標(顧客リスク格付)を定義し、リスクベースアプローチに基づく業務を実現するためのソリューションとしてSAS Customer Due Diligenceを導入し、日本IBMによるアプリケーションおよび基盤の構築を決定した。

SAS Customer Due Diligenceのデータマネジメント機能を活用することで、金融機関に対する複雑化する規制対応に有効性の高いスクリーニング機能と顧客リスク格付機能を提供する。顧客リスク格付機能では、有効性の検証とリスク格付の変更を容易に実現するための機能を提供しており、継続的かつ機動的なマネーロンダリング、テロ資金供与対策の支援するという。

SASのコンサルティングサービスは、既存の顧客データベースにおけるデータ項目の入力状況に合わせて、顧客スクリーニングのスクリーニングパターンと顧客リスク格付のスコアリングモデルを実現するという。また、統計手法を用いて調査担当者のノウハウを基にしたスコアリングモデルの各種ウェイトの算出や、疑わしい取引の届け出を使用したスコアリングモデルの有効性検証、最適化の提案を行うことで、顧客リスク格付の高度化とKYC(顧客確認)活動を最適化するとしている。

顧客リスク管理業務においては、金融機関が保有している利用客の属性や商品、取引実績などの情報に加え、外部のアンチマネーロンダリング関連の情報も活用し、リスク評価を行う必要があることから、日本IBMは今回の顧客リスク管理業務の高度化において、両行内外の最新情報を収集、統合、分析するための最適なアプリケーションと基盤の構築・導入プロジェクト全体のマネジメントを提供している。

両行は、RegTechを活用したマネーロンダリングとテロ資金供与対策の高度化をSAS Customer Due Diligenceで実現することで、フォワードルッキングにリスク管理態勢の強化を図る考えだ。