ハギワラソリューションズは、産業機器向けに小バイトのランダムアクセスを高速化したSDカードおよびmicroSDカード「Sシリーズ」を11月下旬より順次発売すると発表した。

同製品は、産業機器や組込機器でストレージ製品として採用が増加するSD/microSDカードとして、小バイトのデータを頻繁に書き込む製品のOS格納用途などでの利用を促進することを目的に開発されたもの。スピードクラス「Class 10」対応、UHSスピードクラス「UHS-1」対応で、連続データ書き込みにおける最低速度10MB/sを確保しているほか、データの書き換え方法を、メモリコントローラ上のアルゴリズムを、従来のブロック単位から、ブロックを構成しているページ単位へと変更。これにより、素子の長寿命化を実現したとする。

また、Random Write性能も改善。例えば、MLCの8GB品で競合製品と比較した場合、書き込みデータのサイズにもよるが、概ね3~5倍ほどの高速化が図られているという。さらに、4K Random Writeも、書き込み負荷をかけても、書き込み速度を一定に維持でき、そのため動画関連での活用も可能であることから、同社では放送機器分野などへの提供も検討していきたいとしている。

加えて、S.M.A.R.T.情報からメディア寿命を診断することができるソフトウェア「SD Card Live Monitor」を提供。これと寿命診断専用カードリーダーを組み合わせることで、メディアの残存寿命を緑/黄/赤の3色で視覚的に確認することができるようになり、予防保全的な利用が可能となる。さらに、同ソフトはAPIとしても提供されるため、カスタマは自分たちのシステムに同機能を搭載し、メディア寿命の判断に活用することも可能となるという。

なお、NAND型フラッシュメモリのラインアップとしては、MLC、SLC、Q-MLC(Quality-MLC))の3種類を用意。容量はMLCが8GBから、SLCが512MBから、Q-MLCが4GBからとなっており、書き換え可能回数はMLCで2000回以上としているが、上述のとおり、書き換え手法を変更しているため、通常以上の寿命を実現することができるようになっている。

産業機器向けSDカードおよびmicroSDカード「Sシリーズ」の外観