アールエスコンポーネンツ(RSコンポーネンツ)は11月10日、米Adaptevaが開発・生産する名刺サイズのスーパーコンピュータ(スパコン)ボード「Parallella board」の販売を開始すると発表した。

同製品は、16個の演算コアで並列処理プログラミングが行える小型スパコンボードである。制御用SoCとしてデュアルコアARMとFPGAを内蔵したXilinxの「Zynq Z7000」、演算用アクセラレータとして「Epiphany III 16 core」を名刺サイズの基板に搭載する他、UbuntuなどのLinux OSを通じてプログラミングが行える。そして、物理シミュレーション、ビッグデータの解析、教育用プラットフォーム、組み込み機器の高速演算エンジンなど、幅広い用途で活用できるのに加え、複数のボードを連結拡張して、より高速な並列処理アプリケーションを実現することも可能となっている。

また、同製品はクラウドファンディングサービスのKickstarterで、開発資金調達に成功したオープンソースプロジェクトである。かつて、気象予測や分子構造シミュレーションなど、潤沢な予算のもとでのみ使用されていたスパコンを、幅広い一般ユーザーに普及させるべくプロジェクトがスタート。世界中から高い注目を集め、現在では最も活発なプログラミングコミュニティの1つとして、数千人の技術者が開発に参加するまでに拡大しているという。

なお、価格はサーバ版が1万3500円(税抜き)、デスクトップコンピュータ版が1万6600円(税抜き)、組み込み版が2万6700円(税抜き)。すでに販売を開始している。

名刺サイズのスパコンボード「Parallella board」