Analog Devices(ADI)は3月5日、RFアジャイル無線やFPGA/プロセッサベースアプリケーション向けに小型かつ高効率の集積パワーマネジメントIC「ADP505x」ファミリ4品種を発表した。

同製品は、集積電源ソリューションとして、ピコセルやフェムトセル基地局、ポータブルやハンドヘルド機器、さらにコンパクトな集積電源ソリューションを必要とする、様々なアプリケーション向けに設計されている。また、同社のソフトウェア無線(SDR)アプリケーション向けRFトランシーバ「AD9361」をサポートするように設計されている。これにより、AlteraやXilinxが提供する多くのFPGAプラットフォーム向けの集積電源ソリューションとしても用いることができる。

「ADP505x」は、4個の降圧スイッチング・レギュレータ(4/4/1.2/1.2A)と1個の200mA LDOからなるマルチ出力レギュレータで、これら多数の降圧レギュレータとLDOを、7mm角のパッケージに収めることにより、310mm2のPCB面積で最大25Wのパワー密度を実現している。

また、「ADP5050」は、デバイスへの入力電圧とチップ温度を監視することのできるI2Cインタフェースを実装していることから、信頼性の高い電源ソリューションとなっており、集積設計により1個のICで、さまざまなアプリケーションを構築することができるため、電源の設計時間を短縮することが可能だ。

さらに、「ADP5050/51/52/53」に搭載された2つの高電流出力のステップダウンレギュレータは、外付け抵抗により出力電流が選択可能となっているため、電流制限値を4A、2.5A、または1.2Aに設定することができる。4個のスイッチングレギュレータは、すべて4.5V~15Vの広範囲の入力電圧で動作し、単一のクロックに同期、250kHz~1.4MHzの周波数でプログラム可能となっているほか、各降圧レギュレータには、入力リップルを低減するためのプログラマブル位相シフト(0/90/180/270度)機能が備わっている。

なお、パッケージは4品種とも7mm角の48ピンLFCSP。価格は1000個受注時で、クアッド降圧+LDO+I2Cの「ADP5050」が4.39ドル、クアッド降圧+POR/WDI+I2Cの「ADP5051」が4.59ドル、クアッド降圧+LDOの「ADP5052」が3.59ドル、クアッド降圧+POR/WDIの「ADP5053」が3.79ドルとなっており、いずれもすでに出荷を開始している。

ADIの小型かつ高効率の集積パワーマネジメントIC「ADP505x」ファミリ