横河電機は2月4日、プラントで使用される有線フィールド機器や分析計などに取り付けることで、ISA100 Wirelessに準拠した機器として使用できるマルチプロトコルアダプタを開発したと発表した。

フィールド無線システムは、プラントに設置されるフィールド機器や分析計などと、監視・制御システムなど上位のシステムとの間の通信を無線化するシステムである。無線通信には、配線が困難な場所にフィールド機器などを設置したり、通信ケーブルや敷設コストが削減できるなど、多くのメリットがある。そこで、横河では、無線通信技術をプラントのどこでも適用できる、ISA100 Wirelessを普及させるための施策と適合機器の開発に取り組んできた。

マルチプロトコルアダプタは、プラントの温度、圧力、レベル(液位)、振動の監視やガス検知に用いる有線フィールド機器や分析計などに取り付けることで、ISA100 Wirelessに準拠した機器として使用できるようになる。これにより、フィールド無線システムを構築できるフィールド機器や分析計などの種類を増やすことができる。

今回、その第1弾として、プラントで多く使用されている有線HART通信用機種とRS485 Modbus通信用機種の提供を開始する。同製品はアダプタに内蔵する電池でフィールド機器や分析計などへ給電でき、給電用ケーブルも含めて配線が不要になる。電池には、横河の無線フィールド機器と同じ大容量のリチウムイオン電池を使用しているので、長期間の使用が可能。また、電池残量の推測値を日数換算して上位システムに表示できる。さらに、防塵・防水に対応した屋外型や、引火性のガスがある場所で使用できる防爆型のマルチプロトコルアダプタも順次発売する予定。これにより、プラントの様々な環境で使用できるようになるとしている。

なお、有線HART通信対応機種を5月、RS485 Modbus通信対応機種を7月より発売する。今後、FOUNDATIONフィールドバス、PROFIBUSなど、多様な有線フィールド通信規格のフィールド機器や分析計などに対応した機種を順次開発していく予定。

横河電機のISA100 Wirelessに準拠したマルチプロトコルアダプタ