横河ディジタルコンピュータは1月20日、開発効率および信頼性の向上といった要求に応えるために解析機能/測定機能を充実させたJTAGデバッグツール「adviceLUNA II」を発表した。

近年、組み込み製品のソフトウェア開発は、高機能化、多様化という市場ニーズに応えるため、システムは大規模化、複雑化の傾向にあり、その一方で開発期間の短縮、信頼性の確保が課題とされている。また、開発効率、および製品品質の向上を実現するために、割り込み処理や例外処理などシステムの動きを意識したデバッグやテストを効率良く行える環境が求められている。これら開発現場の要求に応えるため、システムの可視化、解析/分析機能の強化をコンセプトに同製品を開発したという。

具体的には、プログラムの実行状況をチャートで視覚的に確認することができるトレース解析機能や、プログラムの実行網羅率を測定するカバレッジ測定機能、キャッシュヒット率測定機能など、システムの動きを可視化して、より効率的にデバッグ/解析できる機能を実装している。また、高速・高精度トレースを実現するために、高速差動伝送インタフェースに対応した。さらに、同製品には、Linux/Androidをはじめとする多種OSのデバッグや、AMP型/SMP型マルチコアシステムのデバッグに対応した、最新版のGUIデバッガ「microVIEW-PLUS Ver.6」が付属されており、新たに追加された機能はもちろん、既存のJTAGデバッグ機能に対しても、より快適な操作性を提供するとしている。

また、「adviceLUNA II/microVIEW-PLUS Ver.6」の主な追加機能のうち、トレースデータを使った関数・タスク遷移表示機能は、従来のトレースレポート機能に関数/タスク遷移表示という概念を取り入れ、チャートで表示することが可能。ユーザプログラムの動きはもちろん、プログラム実行中の割り込み処理や例外処理など、システムの動きを視覚的に捉えることができる。さらに、カバレッジ機能では、プログラム(関数)の実行状況を測定し、実行路裏率を表示する。未実行箇所を特定することにより、テスト漏れを未然に防ぐことができる。プロファイル機能では、JTAG経由でリアルタイムにプロファイルデータを定周期でPCサンプリングし、測定期間中に指定区間(関数や処理など)が実行されていた回数と割合を表示する。処理時間の遅延箇所やボトルネックを特定し、パフォーマンス向上を図ることができる。キャッシュヒット率測定機能では、ARMコアのPMU(Performance Monitoring Unit)と連携し、キャッシュのアクセス数、ミスヒット数を表示する。

横河ディジタルコンピュータの次世代JTAGデバッグツール「adviceLUNA II」