セイコーインスツル(SII)は6月5日、磁気感度精度±1.5mTを実現した車載用ホールIC「S-57A1/K1シリーズ」を製品化し、受注を開始したと発表した。

ホールICは、磁石などの磁界を検知して信号を出力する磁気センサICで、ICに印加された磁界(磁束密度)の大きさと極性に応じて、HまたはLの電圧レベルを出力する。また、非接触のため耐久性、耐衝撃性に優れていることから、自動車のドア開閉検知や、ワイパーなど可動部分の位置検出・回転検出に使用されている。

同シリーズは、磁気感度精度±1.5mTを実現したことにより、磁石と組み合わせた機構の動作バラつきを小さくすることができ、これにより機構設計の自由度を増すことが可能となり、実装基板の縮小など、トータルコストの低減が可能になるという。

また、動作温度125℃、動作電圧26Vの対応により、自動車などの過酷な環境での使用が可能なほか、パルス駆動周期8μsの高速動作により、モーターなどの高速の回転検出が可能となっている。検知タイプは、片極検知型「S-57A1」、交番検知型「S-57K1」の2種類が用意されており、パッケージはいずれもSOT-23-3(2.9mm×2.8mm×1.3mm)となっている。

さらに、逆接続保護回路内蔵により、VDD/VSSを逆に接続した場合の破壊を防止することが可能なほか、擬似CMOS出力品(Nchドライバ+内蔵プルアップ抵抗)や、AEC-Q100の対応なども予定されているという。

車載用125℃動作ホールIC「S-57A1/K1シリーズ」