腹が減っては戦はできぬ! そうだ炊飯器の出番だ

ひと仕事終えランチタイム。旅の楽しみといえば、なにを差し置いても食事だろう。「せっかく大阪に来たのだから大阪名物を食べたい。しかし定番メニューでは物足りない」ということでチョイスしたのが大阪難波名物「自由軒 カレーみそ」。持ち込んだ炊飯器で炊いたホクホクのご飯のおかずという目論みだ。

おかずとなる名物もゲットしたし、車内でお米をとぎ、炊飯器のセット完了

車内を汚さないように細心の注意を払ってお米をとぎ、炊飯器の準備が整った。あとは炊飯器の電源をインバーターに接続しタイマーをセットすれば完了のはずだったが、ここで予期せぬ事態が発生した。インバーターが100Vの炊飯器に対応していなかったのだ。炊飯器に接続したところ「ピーッ! ピーッ!」という警告音がインバーターから発せられ失敗に終わった。家電によっては車内で使えないものもあるので、乗車前に注意が必要だ。仕方がないので、このときはカレーみそだけを食したが、といだお米がもったいない。そこで、編集部には申し訳ないが、宿に素泊まりして部屋のコンセントで炊飯。残ったカレーみそでおいしくいただきました!

無茶ぶり企画もいよいよ大詰め! 充電して東京に帰ろう!!

このあと1泊2日を大阪ですごし、東京へ戻ることに。燃費のよいプリウスPHVだが、さすがにガソリンも尽きてきた。そこで、せっかくなので電気充電→電力走行を試すため、充電設備の整うトヨタ販売店へ入った。充電は一部のサービスエリア、ショッピングモールの駐車場に設置されている充電ステーションでも可能。充電には専用のオーナーズカード「PHV Drive Supportメンバーズカード」が必要だ。

PHV Drive Supportメンバーズカードを充電ステーションにかざし、車体右側後方の充電口のフタを開ける

充電ステーションに備えられたコネクターを挿すと充電マークが点灯し、充電開始。まさに“プラグイン”!

AC200V電源の場合、満充電時間は約90分。AC100V電源の場合、約180分かかる。メーカー公称値では、満充電だとEV走行で26.4km走り続けることができるという。通勤や平日の買い物はEV走行のみでカバーできるだろう。本来ならば、満充電でどのくらい走行できるのか試したかったところだが、この日は渋滞が多いという交通事情に加え、あいにくの冷たい大雨。ワイパーやエアコン、シートヒーターなどをフル稼働させたため、EV走行の実力は発揮できないだろうと判断した。

「車内で取材したのは初めてです」、「はい、されたのも初めてです」

片道約10時間の運転を終え、本企画最後の仕事となったのが「取材対応」だ。とはいえ、僕が取材するのではなく、されるほう。マイナビニュース編集部には申し訳ないが、某ウェブ媒体のIT業界で働く人の仕事ぶりを紹介する企画に僕が選ばれ、取材されることになった。取材場所は、本来なら雰囲気のよいカフェやスタジオを選ぶだろう。しかし今回はクルマの後部座席だ。

クルマの後部座席で取材を受ける様子。取材してくれたライターさんはずいぶんととまどっていたようだ

はたしてIT業界で働く人の「普段の仕事ぶり」がどう伝えられたのか……不安は残るがいい経験にはなった。取材してくださったライターさんの「車内で取材なんてしたことないですね」というコメントに込められた真意を、いまでも聞けずにいる。

かくして3泊4日の開発合宿は終了した。片道約500km、往復にして約1,000kmの長旅だった。この3泊4日の旅で給油と充電をしたのは、それぞれ大阪で行った一回のみ。通常の合宿よりもコストを大幅に削減することができた。車内空間はとても広く、電源だっていつでも取れる。カフェや民宿を点々としていたこれまでの合宿よりも、お金・時間ともに節約することができ、充実した旅となった。

季節はもう春。次は本州を北上してみたいと思う。この移動式オフィスで。