Freescale Semiconductorは、ARM Cortex-M4コアを採用し、最大動作周波数200MHzを実現可能な32ビットマイクロコントローラ(マイコン)「Kinetis Xシリーズ」を発表した。

同シリーズは、同社32ビットマイコン「Kinetis」のポートフォリオを拡張するもので、内蔵メモリは1MB~4MBのFlashメモリおよび0.5MBのSRAMだが、さまざまな外部メモリ(NOR Flash、NAND Flash、シリアルFlash、SRAM、低消費電力DDR2およびDDR3など)を利用して処理能力を高めることができるほか、NOR FlashやQuad-SPIシリアルFlashからの直接実行(XIP)も可能である。

また、コネクティビティ、セキュリティ、ヒューマンマシン・インタフェース(HMI)の先進のペリフェラルを装備しており、そのすべてに対して同社のランタイム・ソフトウェアおよび開発ツールがバンドルされる。

さらに、メモリおよびペリフェラル・アクセスの制限からCPUコアを解放することによりシステム性能を最大限に高めることを目的として、CPU効率を最大化する命令用とデータ用の大容量のオンチップ・キャッシュ・メモリ、スクラッチパッド・データへのシングルサイクル・アクセスを実現する32KBの密結合SRAM、および汎用ペリフェラルやメモリへのアクセスに対するCPUの負荷を軽減する64チャネルのDMAコントローラなどのハードウェア・アクセラレーション技術が搭載されている。

加えて、Cortex-Mクラスのマイコンながら64ビットのAXIバスを搭載しており、複数のバス・マスタによる同時データ転送の機能が強化されている。

なお、同シリーズのアルファ版サンプルおよび開発ツールは、2012年第2四半期に提供開始の予定としており、量産開始は2013年第1四半期を予定している。また、Flashメモリを搭載しないMPU版の提供も予定しているという。

Cortex-M4ベースのFreescaleの32ビットマイコン「Kinetis Xシリーズ」の機能ブロック図