ドイツの東芝エレクトロニクスヨーロッパ(TEE)は9月6日(現地時間)、車載向けに3Dディスプレイ表示をサポートする「Capricorn-H」を発表した。Capricorn-Hは12.3inch幅までの計器パネルの表示に対応し、18/24bitカラーで2D及び3D表示を可能とする。

内部にはARM Cortex-A9のDual Coreの他、5プレーンのデュアル表示を可能とするGDC(Graphic Display Controller)と2D/3Dグラフィックエンジン、最大2MBのメモリを搭載しており、ここにはディザリングを用いて18bitカラーで24bitカラー相当の描画を可能にする"Magic-Square" IPモジュールも含まれる。

3Dグラフィックエンジンは、デュアル構成のProgrammable Shader Pipelineとなっている。2Dに関しては、ダイアル表示や高速回転するポインタ、その他のアニメーションを簡単に表示できるインプリメントが行われており、ここには回転・TransformationやScaling機能も含まれる。

また独立した3chのディスプレイ出力とフルスペックのCANトランシーバ、MOST(Media Oriented System Transport) Media-LBインタフェース、I2C/I2S/USBを内蔵する。

Capricorn-HはQNXのNeutrino 6.5.0 RTOSでサポートされており、これはマイクロカーネルベースのモジュラ構造である。QNXは更にNeutrino RTOS Safe Kernel 1.0も提供しており、こちらは安全規格であるISO 26262に対応したIEC-61508 SIL-3の要件を満たすものとなっている。開発者はQNX Neutrino RTOS Safe Kernelを利用することで、IEC-61508 SIL-3のCertificationの取得が必要なアプリケーションを構築できる。

パッケージは516ballのBGAで供給され、エンジニアリングサンプルは既に供給可能である。またFoundary27のQNX Software System's portalより、Capricon-Hに対応したQNX Neutrino RTOSのBSP(Board Support Package)を入手可能であり、ここから関連するドライバ類も入手可能である。

「Capricorn-H」のパッケージイメージ