森下仁丹は12月20日、シームレスカプセル化技術の応用開発における、非食用分野における研究開発の成果として、バイオカプセル化種子(人工種子)に関する国内特許を取得致したことを発表した。

バイオカプセル化種子のイメージ

従来より、付加価値の高い植物資源を組織レベルで増殖させ、ゲルなどに包むことで人工種子化する試みが各所で進められてきたが、乾燥に弱く、物理的な強度も不足しており、長期保存が実用化への課題となっていた。

同社では、生分解性素材を用いた独自の多層構造シームレスカプセルの研究を進めることで、保存安定性が高く、土壌に播種すると速やかに発芽する植物組織を包んだ人工種子を今回、開発することに成功した。

高価な花卉や野菜、種子繁殖が困難な植物、希少な薬用植物資源については、遺伝的に安定した品種の確保と増殖・供給が世界規模で課題となっており、植物のクローン化技術と同技術との融合により安定した植物資源の供給が期待されると同社では説明している。

植物組織をカプセル化し、実際に発芽させた様子

なお、すでに海外ではオーストラリアや韓国、台湾で特許が成立し、欧米でも審査が進行中となっており、同技術の活用に関して打診も受けているとしており、今後もさまざまな新用途カプセルの実用化へ向けて積極的に取り組み、中長期にわたる業績の向上と企業価値の拡大を目指していくとする。