セイコーエプソンは、フォトビューワなどの小型映像機器やドアホンなどのホームエレクトロニクス機器、OA機器などの表示システム向け液晶表示機能に、JPEG画像の処理機能を付加したアプリケーションプロセッサ「S1C33L19」を開発したことを発表した。サンプル出荷は4月からを予定しており、価格はTQFP24-144パッケージ品で1,458円(税別)としている。

アプリケーションプロセッサ「S1C33L19」のチップ外観

同製品は、JPEGの処理を内蔵したハードウェアアクセラレータで処理することで、従来のソフトウェア処理に比べ約2倍の処理速度向上を実現している。また、同社では、提供するJPEGデコーダ/エンコーダAPIにより、ユーザアクションプログラムへの組み込みを簡易に行えるようになるという。

このため、JPEG画像データを高速伸長・圧縮できるようになり、表現力の向上とデータ量の削減が可能になるほか、伸長した画像データはハードウェア・マルチウィンドウ機能により、ユーザの思いどおりの位置に高速な重ね合わせ描画が可能となる。

CPUコアには32ビット RISCコアを採用しているほか、汎用DMAコントローラ、USB-FSデバイスコントローラ、LCDコントローラ、PWMコントロールタイマ/カウンタ、各種インタフェース、ADコンバータ、RAM、NANDフラッシュインタフェースなどが実装されている。

CPUクロックの細かな分周制御や、機能ブロックごとのクロック停止制御による動作時の消費電力低減、独自の低リークプロセス採用によるスリープ時のリーク電流最小化などを実現している。

なお、量産出荷は同7月からの予定で、ベアチップ、TQFP、BGAパッケージの3種類の形態で行い、月産50万個の生産を見込んでいる。