Googleは8日(米国時間)、Google Browser Syncをオープンソースソフトウェアとして公開したと発表した。Software Engineering Team and Browser Sync DeveloperのAaron Boodman氏は発表の中で、Google Browser Syncのオープンソース化はこれまでも計画されていたと説明している。

GoogleはFirefox 3開発版が公開されている間、Google Browser SyncをFirefox 3へ対応させてこなかった。そしてFirefox 3公開と時を同じくしてGoogle Browser Syncのサポートを2008年をもって終了することを発表した。Google Browser Syncはブックマークのみならず履歴データやクッキー、パスワードなども共有できるエクステンションだ。Firefox 2まで対応しており、このGoogleの発表に落胆したユーザは少なくなかった。

今回、Google Browser Syncを公開するにいたった背景には、同社がGoogle Browser Syncサポートを停止するため、開発や改善を開発者コミュニティへ委ねたい狙いがあるとみられる。ユーザからオープンソース化への問い合わせも多かったようだ。サーバの開発者やFirefox 3への対応などは、公開されたコードから開発者の手によって実施されることが希望されている。

Google Browser Syncはbrowsersync - Google Codeにおいて公開されている。ライセンスにはThe BSD License (3条項版)が採用され、Subversion経由で取得できる設定になっている。公開するにあたって名称はGoogle Browser Syncから「Browser Sync」に変更されたようだ。ただし公開されたソースコード内部ではGoogle Browser Syncの名称がそのまま使われている。

Google Browser Syncの代替サービスとしてはMozilla LabsのWeaveが期待されたが、まだ実験的提供にとどまっている。特定のプラットフォームでは動作せず、アクセスが集中して使えないことも多い。また実用的に使える状態とは言い難い。代替としてはブックマークの同期専門だがFoxmarksの方が実用的だ。

今後公開されたGoogle Browser Syncをベースとしてどういったアプリケーションが開発されるかわからない。サーバが必要になることから、現在提供されているなんらかのWebサービスを活用してデータを保持する形式をとる、ということになるだろう。今後どういったプロダクトが開発されていくのか注目していきたい。