米Intelは6月6日(現地時間)、連邦取引委員会(FTC : Federal Trade Commission)から召喚状を受け取ったことを発表した。これは、マイクロプロセッサ市場においてIntelが独占禁止法に違反する活動を行ったかを調査するのが目的。同社は2006年からFTCの要請に応じて大量の書類や情報を提出してきており、今回の召喚状についても、これまで提出していなかった種類の情報提供を含めて協力すると述べている。

Intelの独占禁止法違反問題を巡っては、日本の公正取引委員会が排除勧告を行ったほか、米Advanced Micro Devices(AMD)が2005年に損害賠償を求める訴えを起こした。これ以外にも、ヨーロッパの欧州委員会(EC)や韓国の公正取引委員会が是正命令や懲罰金を課す決定を行っており、PC市場の大きい地域で広がりを見せつつある。世界最大のPC市場である米国では、2008年1月に米ニューヨーク州司法長官のAndrew Cuomo氏がIntelに対してやはり召喚状を送付した。今回のFTCの召喚状送付はこうした一連の動きの延長線上にあり、同委員会が本格的な捜査に乗り出したことを意味する。

日本でのケースでは、PCメーカー5社に対してIntel以外の他社製プロセッサを使用しないことを条件に資金供与や特別価格での製品提供など、数々の優遇策を採ったとして排除勧告が下された。AMDによる訴訟でも同様の商習慣の合法性が訴訟の焦点となっている。FTCによる召喚状を受け、Intelは同社の商習慣が米国の法に準拠した適正なものであるとコメント。その証拠として、マイクロプロセッサ市場が非常に過酷な競争状態にあることを挙げている。例えば、2000年から2007年にかけてマイクロプロセッサ価格は42.2%も下落しており、これは適正な競争が行われている結果だという。