Xilinxは31日(現地時間)、65nmプロセスを採用したFPGA「Virtex-5ファミリ」として、"PowerPC440プロセッサ"や同社のDSP"XtremeDSP"などを搭載した「Virtex-5 FXT」のサンプル出荷を開始したことを発表した。価格は1000個購入時で159ドル~となっている。

Virtex-5 FXTとしてラインナップされるのは、ロジックセル数が3万2,768の「FX30T」、同7万1,680の「FX70T」、同10万2,400の「FX100T」、同13万1,072の「FX130T」、同19万6,608の「FX200T」の5製品。

Xilinx エンベデッドプロセッシング/DSPマーケティング ディレクタ Tim Erjavec氏

同社エンベデッドプロセッシング/DSPマーケティング ディレクタのTim Erjavec氏は「FXTは、前世代となる"Virtex-4 FX"を使用したカスタマから要望があった点を機能強化した」としており、アーキテクチャの見直しによるプロセッサシステム性能とデータ処理能力の向上(従来品比2倍)を強調する。

いずれの製品ともにPowerPC440プロセッサブロックを1つ、ないし2つ搭載することで、550MHz動作で最大1100DMIPSの処理性能を実現するほか、PCI Expressエンドポイントブロックプラットフォームやトライモード(10/100/1000Mbps)のイーサネットMACブロックを統合している。

また、それぞれ32KBのインストラクションキャッシュと32KBのデータキャッシュを内蔵しているほか、128ビットの5×2クロスバースイッチアーキテクチャを採用、これによりI/Oとメモリへの同時アクセスを実現した。同アーキテクチャは専用のマスタおよびスレーブ・プロセッサ・ローカル・バスインタフェース、独立したトランスミットチャネルとRレシーブチャネルを持つ4つのハードコアDMAポート、およびポイント間接続を実現する専用メモリバスインタフェースを備えている。

さらに、同プラットフォームでは、500Mbpsから6.5Gbpaまでのデータ転送に対応可能なトランシーバ「RocketIO GTX」を搭載している。これにより、PCI Express1.1/2.0、Serial RapidIO、Fibre Channelなどの規格をサポートするアプリケーションを設計することが可能となる。また、6.5Gbpsでチャネル当たりの標準消費電力を200mWとするなど、低消費電力を特長としているほか、リニアイコライゼーションやトランスミットプリエンファシス、4タップDFEレシーバイコライゼーションなどを備えることで、シグナルインテグリティの改善が図られていることも特長となっている。

このほか、同プラットフォームでは、最大で384の18×25 DSPスライスと16.5Mビットの内部メモリを搭載することにより、550MHz動作時で最大192GMACのDSP処理性能と92Tbpsのメモリ帯域幅を実現している。

Virtex-5 FXTの3つの特長(PowerPC440、XtremeDSP、RocketIO GTXトランシーバ)

なお、5製品のサンプル出荷のスケジュールは、まずFX30TとFX70Tから出荷を開始。FX100T、FX130T、FX200Tについては今後6カ月以内に順次出荷を開始する。また、量産出荷については、2008年第3四半期からの開始を予定している。