消費電力測定(グラフ230~233)

次に消費電力を。前回はグラフを一つにまとめてしまったが、今回は3製品分のグラフになってわかりにくいので、Sandraの実施結果(グラフ230)と3DMarkの実施結果(グラフ231)を分離した。

まずSandraの結果で言うと、やはり一番消費電力が高いのはRichlandで、意外にも次がHaswell、KaveriはRichlandよりも10Wほど低い消費電力にとどまっている。一方3DMark FireStrikeの方は?というと、やはりRichlandがひときわ大きく、HaswellとKaveriはほぼ同等レベルに収まっている。

ここから待機電力との差を引いて、消費電力差を示したのがグラフ232(Sandra)とグラフ233(3DMark)である。

ここからそれぞれの平均値を求めると

       Richland Kaveri Haswell
Dhrystone(W) 87.9 68.8 78.3
Whetstone(W)     74.5 52.1 69.1

となり、絶対的な消費電力という意味ではKaveriがHaswellを上回る好成績を出している事が分かる。もっともこれは性能を無視した議論であり、

       Richland Kaveri Haswell
Dhrystone(GIPS) 55.32 76.48 125.09
Whetstone(GFLOPS)   40.14 39.47 65.58

という性能を勘案すると、性能/消費電力比は

       Richland Kaveri Haswell
Dhrystone(GIPS/W) 0.63 1.11 1.60
Whetstone(GFLOPS/W)   0.54 0.76 0.95

という計算になる。Richland→Kaveriで5割以上性能/消費電力比は改善されたものの、やはりまだHaswellには及ばないということではある。逆に3DMarkは? ということで、同じように平均値を取ると

      Richland Kaveri Haswell
FireStrike(W) 75.6 41.1 55.5

となるわけだが、ここで

      Richland Kaveri Haswell
FireStrike(Score) 612.7 1318.0 839.7

を勘案すると、

      Richland Kaveri Haswell
FireStrike(Score/W) 8.1 32.07 15.13

という計算になる。FireStrikeの消費電力は実際のベンチマーク測定時のデータではなく、Demo実行中の消費電力を測ったものだから、あくまで目安にしかならないとは思うが、KaveriはRichlandに比べて大幅に性能/消費電力比が改善しており、Haswellと比べてもまだ十分高い事はここから推察できる。