【特集】

インクレディブル・ハルク マニアックス - アメコミ発の悩めるヒーローを徹底解剖

2 原点を知れ、まずはそれからだ - コミック版ハルクの誕生から現在まで

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"The Incredible Hulk"の歴史


ハルクは、「スパイダーマン」や「X-MEN」、「ファンタスティック・フォー」などのキャラクターと同じく、アメリカンコミックス専門の出版社、マーベルコミックスのキャラクターである。

その誕生は古く、1962年にさかのぼる。実は「ハルク」は、「ファンタスティック・フォー」についで2番目に創作されたマーベルキャラクターだ。彼はヒーローでありながら、制御のきかないモンスターでもあるというアンチヒーローであり、これは当時としては斬新なコンセプトだった。

1960年代初頭、当時のアメリカンコミックスは、完全に子ども向けと思われており、単調なストーリーのものが多かった。この状況の打破を狙っていた野心的な編集者で、コミックの脚本家だったスタン・リーは、ある時チャンスを得て、人気作画家のジャック・カービーと共に「ファンタスティック・フォー」を創り上げる。単調さとはほど遠い、変わり者ばかりの4人のチームの活躍を描いたのだ。これが読者に大ウケ、リーとカービーはすぐに新しいキャラクターを作るよう命じられた。そこで、大急ぎでひねり出されたのが「ハルク」である。

大もとの発想は「ファンタスティック・フォー」のシングだ。彼はヒーローだが、醜い外見にコンプレックスを持っている。だが読者は、完璧なヒーローよりもどこか欠陥のある人物に惹かれることにリーは気づいていた。

そこでリーは、フランケンシュタインや「ジキル博士とハイド氏」などをモデルにしてハルクを創り上げたという。普段は非力な男が、恐るべき怪力のモンスターに変身する。だがそのモンスターは、フランケンシュタインのように、本当は優しい心の持ち主なのだ。 実は連載当初のハルクは方向性が定まらなかったせいもあって、人気は今ひとつだった。しかし圧倒的なパワーを持つがゆえに世間に迫害され、わずかな安らぎすら得られない孤独なアウトローの性質が定着すると、徐々に読者の共感が集まるようになり、ハルクはマーベルを代表するキャラクターのひとりに成長したのである。

ハルクのすべてを把握する年表

いつ 何がハルクに起こったか
1962 コミック「The Incredible Hulk #1」にて、ハルクが誕生。初登場時はハルクの肌がグレーに塗られたが、印刷写りが悪いという理由で、2号から現在の緑色の肌となった
1963 人気がいまひとつ出ず、コミックが6号で休刊
1964 他のヒーローと共にチーム「アヴェンジャーズ」の創立に参加するが、やがて孤立し、離脱する。この年、イレギュラーながら連載が復活。だが徐々に人気を獲得し、4年後には「The Incredible Hulk」復刊を果たす。
1967 アボミネーションが初登場。以後、ハルクの最強の敵のひとりとなる
1977 TVドラマ『The Incredible Hulk』がスタート。第5シーズンまで放映されるヒット作となる。日本でも『超人ハルク』の邦題で放映され人気を呼ぶ
1985 ブルースが父親に抑圧されて多重人格障害になっていたことがストーリー上で明らかに。これはアン・リー監督版映画の土台となった
1986 ファンタスティック・フォーの助けを借りてハルクの人格を押さえ込むのに成功。ブルースとベティ、結婚する。だがやがて元のハルクに戻り、ハルクの人格が分裂を起す。以後、ハルクの人格の中にも、知性あるハルク、饒舌なハルク、凶暴なハルクなど多岐にわたる性質が眠ることが明らかになる
2003 映画『ハルク』公開(監督:アン・リー、出演:エリック・バナ、ジェニファー・コネリーほか)
2008 映画『インクレディブル・ハルク』公開!

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インデックス

目次
(1) 8月1日公開『インクレディブル・ハルク』を楽しみ尽くす
(2) 原点を知れ、まずはそれからだ - コミック版ハルクの誕生から現在まで
(3) 原作との設定比較も…登場人物紹介
(4) 知らずに観ると損をする!? 映画『インクレディブル・ハルク』4つの基礎知識
(5) バトル漫画で育った世代にはたまらないシーン満載 - 『インクレディブル・ハルク』を男子目線でじっくりレビュー(前編)
(6) バトル漫画で育った世代にはたまらないシーン満載 - 『インクレディブル・ハルク』を男子目線でじっくりレビュー(後編)
(7) ネタバレ注意! リピーターのための小ネタ指南

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