トマトの手入れに余念がない村崎敏彦さん

琵琶湖に次ぐ日本第2位の湖、霞ヶ浦。利根川から北へ二股にわかれた湖の東は「北浦」、西は「霞ヶ浦」と呼ぶ。北浦と霞ヶ浦に挟まれた茨城県行方(なめがた)市は、温暖な気候に恵まれ、たくさんの農産物が通年をとおして出荷される。「職工組合」の意味を持つ有機農法ギルドは、そんな肥沃な大地に根ざし、有機農作物を一筋に作り続けてきた。

「蝶がハウス内に入っちゃうとね、捕まえて殺さないといけないんだ。そうしないとトマトの実を青虫が食っちゃう」。ギルド内くらぶコア直営農場に勤めて10年経つという村崎敏彦さんはそう言って、細心の注意を払いながらハウス内に入る。入った途端、ジワっと汗が噴き出してくる。トマトの収穫は夏が最盛期だ。例年は6月下旬から収穫に入るが今年は例年より10日ほど早く収穫を開始した。これから8月頭までトマトの収穫作業は続く。

ハウス内で色づくトマト

ハウスのありとあらゆる場所に目を配り、"侵入者"を探す。侵入者は何も虫だけではない。ハウス内に生えた雑草も要領よく摘み取らなくてはならない。ブーンと大きな羽音を立てて村崎さんの前を大きなハチが飛んでいった。「こいつは殺しちゃいけない。マルハナバチといってトマトの実がなるのを助けてくれる大切な虫だから」。

有機野菜の栽培にかかる労力は、並大抵のものではない。除草剤も殺虫剤も使えない。それは虫がいれば手で殺さなければならないことを意味する。細かな雑草も1本1本手で抜く。アブラムシはさすがに1匹1匹殺すには人手が足りない。アブラムシが繁殖してしまったらJAS法で認められた薬剤を決められた範囲内で散布するが、その分殺虫力は低いので、"全滅"という訳にはいかない。武器もなく大自然に立ち向かう様は、途方もない大冒険の様相を呈する。

そうやって手塩にかけて育てられたトマトは、1日で約1トンもの出荷量に上る。そのうち出荷できるトマトは3分の1に満たない。農薬をしっかりと散布され、工業製品のような美しさを称える"トマト"と違い、有機農法のトマトは形も色も個性的だ。だからこそ、だろうか。自然の困難に打ち勝ち、見事な実をつけたトマトに敬意を払うように、農場スタッフは一つひとつ丁寧にみがき、箱に詰めていく。「コア・フード」の説明書を同梱し、シールを貼って作業は一通り完了する。あとは、産直宅配の生協「パルシステム」を通じて食卓に届けられる。

コアフードのロゴが描かれたシールを貼って、食卓へと届けられるトマト

コアフードのロゴ

収穫されたトマトはピンク色。出荷して食卓に届くまでの時間を考慮し、真っ赤に色づく前に出荷されるからだ

コア・フードとは、パルシステムが認定した「トップブランド」の証だ。JAS法に定められた「有機農作物」の生産基準に沿って栽培されている農作物、またはそれに準ずると判断された農作物を「コア・フード」として認定している。

パルシステムでは農業本来のあるべき姿として有機農業を位置づけ、(1)生産現場をふまえ厳しいJAS法の要求事項をクリアしていく、(2)有機農業生産者を地域で孤立化させない仕組みづくり、(3)有機農業や生産者の努力を正当に評価する消費者の組織化―を重点課題に生産者と共に取り組んできた。組合員が有機農業の現場に訪れるツアーなども開催し、ただ食べるだけではなく、有機農作物への理解を深める活動も同時並行で行っている。

ギルド内くらぶコア農場長の五十野和樹氏は「有機農業は消費者の理解がかかせない」と話す。大きさのいびつなトマトを見て、スーパーのトマトより見劣りすると思う消費者がいることも事実だろう。だが、五十野氏は「有機農作物は命そのもの。生きた食べ物を口に入れるということは、命の大切さを知ることだよね」と目を細めた。食育とは、食物を通して命に触れる作業といっても過言ではない。ギルドの仲間によって作られたトマトたちは、人間に命の重みを教えてくれる。

―後編に続く―


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