緑茶が日本一大好きだから……

サッカーや温暖な気候などのイメージがある静岡県。データをひもとくと……やはりそのような傾向がありました!

緑茶を日本一作り、日本一飲む

まずは気候面を見てみましょう。年間快晴日数が年間52.4日で全国3位(1980年~2010年の平年値)、年間日照時間は2,099時間で5位と静岡県の温暖なイメージを裏付けています。一方、年間降水量は2,324.9mmで4位、年間雨日数は57.4日で8位と雨の日も多く、晴れと雨のメリハリが効いた気候と言えそうです。ちなみに、年間雪日数2.6日は沖縄県、宮崎県に次ぐ少なさで、こういったところも温暖なイメージにつながっているのかもしれません。

続いて静岡県の食生活。日本一の生産量を誇る緑茶の一世帯あたり消費量は、年間1,901gで1位(2009年 全国平均986g)。生産量3位のみかんも年間21.9kgで1位(2010年 全国平均14.1kg)と生産量と消費量がシンクロしています。水揚げ量日本一のマグロ消費量も年間6,259gで1位(2008年 全国平均2,491g)となっていて、たくさんとれるものをたくさん食べる"地産地消"と言えそうです。

ちなみに静岡県民の「緑茶愛」はかなりのもの。紅茶消費量が年間162gで43位(2009年 全国平均225g)、コーヒー消費量が1,561gで46位(2009年 全国平均2,130g)とお茶以外の消費量が少なく、緑茶一筋の県民性です。

静岡県のもうひとつの特徴が「工業県」で、製造業従業者数は人口100人あたり18.74人で全国1位(2007年 全国平均10.26人)。製造業事業所数も人口10万人あたり327軒で3位(2007年 全国平均202軒)、工業生産額は県民1人あたり511万円で4位(2007年 全国平均264万円)とどれもトップクラス。工場のラインなどで働くことが多い在日ブラジル人も、人口100人あたり0.89人で全国1位です。

引き締まった身体はサッカーのおかげ!?

次にスポーツを見てみましょう。男女全年齢層のうち、何%がスポーツ活動をしているかを示すスポーツ活動率は14.1%で4位(2006年 全国平均11.9%)。男性肥満率は25.2%で43位(2010年 全国平均31.1%)、男子小中学生肥満率は7.75%で39位(2010年 全国平均9.30%)、女子小中学生肥満率は6.70%で36位(2010年 全国平均7.70%)と肥満率が低く、静岡県民はスポーツ好きで引き締まった身体をしているようです。

静岡県のスポーツと言ったらもちろんサッカー。静岡県のJリーガー輩出率は人口10万人あたり1.77人で1位(2014年 全国平均0.80人)。一方、プロ野球選手の輩出率は人口10万人あたり0.48人で32位(2014年 全国平均0.62人)と少なく、サッカー王国と言えそうです。

ちょっと県民性とは違うかもしれませんが、静岡県にはもうひとつ面白い特徴があります。それは鈴木さんの多さ。静岡県には人口1,000人あたり53.28人の鈴木さんがいて、これは全国1位の多さです(2014年 全国平均14.04人)。県民の20人に1人が鈴木さんということで、"鈴木王国"とでも言うのでしょうか。

静岡県と他都道府県の相関図。本州中心部の典型的な県民性ということが分かる

700以上のランキングから、静岡県の相関関係を筆者が割り出したのが上の地図です。赤は似ている県、青は正反対の県、黄色はどちらでもない県。静岡県を中心に本州中央部が赤く、周辺に行くほど青くなっています。本州中央部の典型的な県民性であることを意味しており、静岡県で新製品のテスト販売が多のもこのあたりが理由と思われます。

※本文と写真は関係ありません

筆者プロフィール : 横道 文也(よこみち ふみや)

統計サイト「都道府県別統計とランキングで見る県民性」主宰。様々なデータを都道府県という切り口から分析し、新たな「おむつとビール」を探すデータマイナー。時系列でデータを分析する「年次統計」や歴史年表を分析する「年表マニア」などのデータサイトも運営。