3月13日に運行を終了し、全車が廃車となった都電7500形。都営交通100周年記念事業では、「花電車」に改造され、運行予定です。今回はそんな7500形の36年前の姿、オリジナルスタイルで活躍していた頃の写真です。

電停、乗降客、子供を抱くお父さん……ノスタルジックな昭和の雰囲気。7500形は車体更新前のオリジナルスタイル。都電荒川線雑司ヶ谷(現: 都電雑司ヶ谷)にて。1975(昭和50)年9月

都電7500形は、1962(昭和37)年に20両が製造され、時代のニーズに合わせてワンマン化、車体更新、冷房化の改造を受けながら活躍してきました。しかしながら、老朽化のため齢50を前にして引退となりました(車令49年)。

王子駅前で折り返し中のラストナンバー7520。右側に信号やポイントを操作していた信号所が残っている。懐かしい名前の銀行看板も。都電荒川線王子駅前にて。1975(昭和50)年9月

1954(昭和29)年に製造された7000形と並ぶ。先輩にあたる7000形は車体更新、改造された車両の一部がいまだ現役。後輩の7500形が先に全車引退した。都電荒川線王子駅前にて。1975(昭和50)年9月

この車両は、製造コストを下げるためにバスの構造が取り入れられているといいます。その特長が一番現れているのは、車体側面の通称「バス窓」。昔の路線バスのように、窓の上部がHゴムで固定、下部が開閉可能のサッシとなっています。さらに、前照灯が2灯になっているのもバスからの影響だといいます。

7509のサイドビュー。車体側面の「バス窓」に注目! 都電荒川線三ノ輪橋にて。1975(昭和50)年6月

都電荒川線の雑司ヶ谷(現: 都電雑司ヶ谷)駅 - 鬼子母神前駅間は、新宿の高層ビル群をバックに勾配を行く都電が狙える有名撮影スポット。ここに数回通いましたが、その度に天気がハッキリせず、いい画が撮れなかったのが心残りです。

7516が高層ビル群をバックに勾配を下っていく。都電荒川線雑司ヶ谷(現: 都電雑司ヶ谷)駅 - 鬼子母神前駅。1975(昭和50)年9月

さらに下っていく7516。都電荒川線雑司ヶ谷(現: 都電雑司ヶ谷)駅 - 鬼子母神前駅。1975(昭和50)年9月

今年6月から運行予定の花電車「花100形」。この花電車に改造される7510も見つけました。花100という形式名は、都営交通「100」周年の「花」電車ということでしょうか。

千登世橋下のS字カーブを行く7510。1975(昭和50)年9月