NPO法人日本トイレ研究所はこのほど、「小学生の排便と生活習慣に関する調査」の結果を発表した。同調査は4,777名の小学生を対象に、2017年3月28日~31日の期間、インターネット上で行われたもの(子どもが同席のもと、保護者が代理回答)。国際的な便秘の定義に照らし合わせると、小学生の6人に1人が便秘状態にあったほか、便秘状態にある子どもが最も多い都道府県は和歌山県であることが分かった。
2006年に発表された慢性機能性便秘症の国際的診断基準によれば、「排便頻度が3日に1回以下」「便失禁がある」「便を我慢することがある」「排便時に痛みがある」「便が硬い」「トイレが詰まるくらい大きな便がある」といった条件のうち、2つ以上に合致する人を「便秘状態にある」と定義できるとのこと。
この定義のもと調査したところ、小学生の子どものうち、16.6%が便秘状態にあり、さらに20.7%が便秘予備軍にあたることが分かった。
加えて、便秘状態にある子どもを都道府県別に見てみると、和歌山県が24.0%で全国1位となり、次いで「静岡県」(23.1%)、「群馬県」「長野県」(共に22.1%)、「鳥取県」(21.5%)と続いている。
また、便秘状態の子どもは、そうでない子どもに比べ、「睡眠時間」「規則正しい食生活」「日頃の遊びの時間」「日頃の運動の時間」「野菜の摂取」「食物繊維の摂取」などについて、正しい生活習慣ができている割合が下回っていることも分かった。
調査結果について、さいたま市立病院小児外科部長の中野美和子先生は「排便に関しては、小児期の便秘は思春期以降に改善する可能性もあるが、そのまま持ち越すことも、特に女児では多く、一定以上の悪化は、深刻な結果をもたらすこともある」と指摘。
「便秘状態と判断された児童は、便秘症という病気であり、病気としての認識も必要で、まず生活習慣調整を試み、1カ月程度で改善傾向がなければ、医療機関に相談することが望ましい」とコメントしている。