8月16日公開の映画『だれかの木琴』の完成披露プレミア試写会が16日、都内で行われ、主演の常盤貴子をはじめ、池松壮亮、勝村政信、佐津川愛美、東陽一監督が出席した。

映画『だれかの木琴』の完成披露プレミア試写会に出席した常盤貴子(右)と池松壮亮

『わたしのグランパ』(2003年公開) などを手掛け、ベルリン国際映画祭銀熊賞など世界中で多くの映画賞を受賞している東陽一監督の最新作となる本作。主演の常盤貴子が扮した主婦が、若い美容師(池松壮亮)へのストーカー行為をエスカレートしていく、というストーリーとなっている。

東監督の作品に出演を熱望していたという常盤は「東監督の映画は物心ついた時からずっと見ていて本当に大好きでした。その中に自分がいられると考えただけでワクワクでしたし、監督と同じ舞台の上に立てていることは夢のようです」と感無量。東監督による演出を「監督に初めてお会いした日に言われたのが、『役作りをしないでください』でした。握手を求めたぐらい嬉しかったです」と明かしつつ、「役柄が役柄だったので寡黙でいようと思いました」と現場では撮影以外でも役に没頭していたことを告白した。

そんな常盤について、劇中で池松扮する美容師の彼女を演じた佐津川が「喋らないようにしていたんだと初めて知りました。常盤さんに見られるシーンがあったんですけど、見られているだけで緊張したし、それはそれで小夜子さんそのものだと思いながら良い緊張感でやらせてもらいました」と振り返ると、常盤が「感じが悪くてすみません(笑)。そういう芝居だったので。嫌味のある女優だと思った?」と現場では見せなかったトークで佐津川を驚かせた。

若い美容師から髪の毛を触られた主婦が、次第にストーカー行為を繰り返していくという物語にちなみ、「美容師は魅力的?」という質問に「今回の映画をやることになって、実際に美容師さんに聞いてみたらストーカーが多いらしいんです。私も髪の毛を切る時、ちょっとSっぽい気持ちになり、『誰に切らせてあげようかしら』と不思議な気持ちになります。髪は特別な気持ちになりますよね」と常盤。一方の佐津川は「普段は他人に触らせないじゃないですか。彼氏や旦那さんなど身近な人に許している錯覚じゃないですけど、女子的にはそういう気持ちがあるのかなと思いますよ」と回答していた。映画『だれかの木琴』は、9月10日より全国公開。