パシフィコ横浜にて16日から「世界鉄道博2016」が開催されることになり、15日にプレス内覧会が行われた。読売新聞社とBS日テレの主催で、原鉄道模型博物館の企画協力の下、著名な鉄道模型製作・収集家である原信太郎氏のコレクションの中から約1,000車両が展示されたほか、巨大な鉄道模型レイアウトも会場に登場した。
「世界鉄道博2016」の会場はおもに「世界の鉄道模型コレクション」「世界の鉄道物語」「シャングリ・ラ鉄道」「鉄道ワンダーランド」の4つのゾーンからなる。
その中のひとつ「シャングリ・ラ鉄道」は、原信太郎氏(1919-2014)が1937年に自宅で"創設"した鉄道模型の理想郷「シャングリ・ラ鉄道」に由来しており、「鉄道は世界をつなぐ」の理念の下、国内外の車両の鉄道模型が縦横無尽に走行する。幅約30m、奥行約10m、28線で同時走行し、走行距離約650mという壮大なスケールの鉄道模型レイアウトとなった。日本の新幹線や夜行列車、長大編成の貨物列車なども見られる。
「世界の鉄道模型コレクション」では、原信太郎氏が生涯をかけて収集した国内外の鉄道模型の中から、未公開の貴重なHOゲージ約1,000車両が展示されている。イギリス・フランス・ドイツ・スイス・イタリア・オランダ・ドイツ・アメリカなど、国際色豊かな車両の精巧な鉄道模型が並んでおり、日本の車両も、現在では見られない貴重な機関車から新幹線・在来線の車両まで、多数展示されていた。
「世界の鉄道物語」では、ヨーロッパ・アメリカ・日本の順で鉄道の歴史を学べる。パネル展示とともに、Oゲージの鉄道模型による各国の車両の走行も楽しめる。「鉄道ワンダーランド」はミニ列車の乗車体験をはじめ、「みんなで描く夢の鉄道」「きかんしゃトーマス」コーナーなどファミリーでも楽しめるゾーンに(一部アトラクションは別途料金が必要)。他に鉄道グッズを購入できる物販コーナーも設けられる。
「シャングリ・ラ鉄道」では鉄道模型レイアウトの他に、原信太郎氏が愛した「或る列車」などの鉄道模型を実車に近いスケールで引き伸ばしたフォトイメージも設置。神奈川県内に路線を持つ鉄道事業者のブースも置かれている |
15日のプレス内覧会では、原鉄道模型博物館の館長代理を務める針谷朱美氏による会場案内が行われたほか、原信太郎氏の次男、原健人氏も挨拶。「私が小さい頃、父はドイツの機関車がロシア・イギリス・フランス・スイスの客車を、アメリカの機関車がロシアの客車を引っ張る様子を鉄道模型で見せながら、『1本のレールでつながり、世界の車両が一緒に走る鉄道模型のような、平和な世の中になってほしい』と話していました。今回の鉄道レイアウトでは、まさに父が話していたような光景が見られます。鉄道を通して、父の世界平和への思いもお伝えできたら」と述べた。
「世界鉄道博2016」は7月16日から9月11日まで、パシフィコ横浜展示ホールAにて開催。会期中無休で、開場時間は10時から16時30分まで(入場は閉場30分前まで)。入場料は前売券が大人(高校生以上)1,300円・子供(3歳から中学生まで)700円、当日券が大人1,500円・子供800円。数量限定のファミリー前売券(なくなり次第終了)や、原鉄道模型博物館とのセット券、横浜市営地下鉄とのセット券なども販売される。