7月11日から開催される「第50回ファンボロー国際航空ショー」の会期中に創立100周年を迎えるボーイングは、民間・防衛双方の最新鋭航空機プラットフォームの展示や、創立1世紀を回顧しながら未来をも見通す展示を予定。その中で、ANA塗装の787-9を用いたデモンストレーション飛行を実施する。エアショーで日本の航空会社の塗装機がデモンストレーション飛行に登場するのは初となる。

ANA納入前の787-9にエアショー実施期間限定で富士山と桜をデザイン

ANAは787のローンチ・カスタマーであり、2016年1月には787で10万便を運航(総搭乗者数は7,500万人以上)させた、787シリーズの世界最大ユーザー。そうした実績を経て、今回のデモンストレーション飛行が実現することとなった。

2016年に787での運航が10万便を突破した

ANA塗装の787-9のデモンストレーション飛行は11~13日の3日間、日本を象徴する富士山と桜のデカールを貼り付けて飛行する。デモンストレーションには、ボーイングが所有するANA受領前の機材を使用。デカール貼付はエアショー実施期間のみの限定デザインを予定している。

日本らしく富士山と桜をデザイン

ANAはこれまでに合計83機の787シリーズを発注済みで、そのうち胴体延長型の787-9は44機発注、現在まで11機を受領し、主に国際線で使用している。なお、ANAは7月に受領する787-9から、中距離国際線用の新しい機内仕様を導入。ビジネスクラスにはフルフラット・シートの「ANAビジネス・スタッガード」を導入し、東南アジア路線を中心とする中距離国際線に重点的に投入していく。

8月上旬に羽田=シンガポール路線から就航を開始し、8月下旬に羽田=香港路線へ、また今後、羽田を発着するバンコク線などの中距離路線にも投入を予定している。加えて、長距離国際線仕様機で使用されているプレミアムエコノミーシートや、座席間隔34インチのエコノミークラスシート、ANA SKY LIVE TVやANA WiFiサービスなども楽しめる。

ボーイングはファンボロー国際航空ショーにて、特別パビリオン「Boeing Centennial Experience」をオープン

ファンボロー国際航空ショーに関して、ボーイングはANA塗装の787-9を用いたデモンストレーション飛行のほか、7月11~14日に737MAXの展示飛行を実施し、航空ショーへデビューさせる。初号機737MAX 8の納入時期は、スケジュールを前倒しして2017年上半期を目指している。その他、ヴォルガ・ドニエプル航空向けの新しい747-8フレイターも、7月11~13日まで展示される予定となっている。

さらにボーイングはショーの期間中を通じて、100年間のイノベーションを紹介する特別パビリオン「Boeing Centennial Experience」をオープン。会社の過去・現在・未来の技術を紹介する体験型ディスプレーに加え、館内に設置されたキオスク端末では、創刊から同じく100周年を迎える『Aviation Week & Space Technology』誌各号のデジタルアーカイブを設置する。一般向けに、館内で使用するアプリ「Boeing Innovations」を用意し、7月にAppleのApp StoreとGoogle Playからダウンロードできるようにする。

そのほか、ボーイング100周年のロゴをデザインした限定商品やヘリテージコレクション、航空機のミニチュアモデルなどの物販も予定。一般公開の週末には、P-51Dマスタング、B-17フライングフォートレス(空飛ぶ要塞)、DC-3ダコタ、B-25ミッチェルなど、ボーイングの歴史を彩る名機の展示飛行または地上展示を予定している。