東京ビックサイトで5月10日から13日まで「2016 Japan IT Week 春」として複数の展示会が行われているが、そのうちの「組込みシステム開発技術展」(ESEC)で、気になった製品を紹介したい。

ギガバイトはvPro対応BRIXと4Kサイネージ向けBRIXを展示

日本ギガバイトのブースでは、同社の小型ベアボーン「BRIX」を使った組み込み向けシステムを展示。特に大きく取り上げているのが、4Kサイネージ向けのBRIXシステム「BSi7G6-950」で、4台の4Kディスプレイとともに展示していた。

4Kディスプレイを4台並べた高精細デジタルサイネージをアピールするギガバイトブース

「BSi7G6-950」は、VESAマウントにも対応する容量2.0Lのコンパクトな筐体使用するほか、4K 60p表示を4台同時に表示可能なところが、セールスポイントとなっているのだが、注目したいのは、4台同時の4K出力のために、NVIDIA GeForce GTX 950を搭載しているということ。

表示を一手に引き受けているのがBSi7G6-950。型番に950と書いてあるようにNVIDIA GeForce GTX 950を搭載しつつ、厚さ30mmで2.0Lのコンパクト筐体を実現している

本体左下のアクセスパネルを外したところ。メモリスロットや2つのM.2スロットが見えるので構成変更も容易だ

GIBAGYTEでは、ディスクリートGPUを搭載した「BRIX Gaming」もラインナップしているのだが、ここのところ新製品が出ていなかった。今回展示した「BSi7G6-950」が、いずれコンシューマ製品につながるかもしれないとのことで、今後の展開に期待したい。

薄型BRIXでもUSB Type-Cコネクタ搭載モデルが登場

一方、薄型タイプのBRIXでは、vPro対応の製品が展示されていた。vProによる管理性重視の製品なので一般ユーザーにはあまり関係ないと思いきや、筐体のフロントにはUSB Type-Cコネクがが搭載されていた。USB Type-Cコネクタを搭載したBRIXといえば、2.5インチストレージの搭載に対応した少し厚めの「BRIX s」シリーズで、すでに「GB-BSi7HT-6500」がアナウンスされている。薄型タイプのBRIXでもUSB Type-Cコネクタ搭載モデルが近々登場するかもしれない。

vPro対応のBRIXも展示。コンシューマ向けにはあまり必要な機能ではないが、vPro対応によって管理性が高まるので、オフィスにおける一括導入で効果が高い

本体をよく見るとデザインが変更されており、USB 3.1のシルク印刷の下にはUSB Type-Cコネクタが用意されている

有線LAN対応のZOTAC製組込用スティックPCを展示。「アキバで買うのはムリ」

アスクブースではZOTACの組込用スティックPC「PI221 pico」が展示されていた。最新のIntel ATOM x5-Z8300を搭載したファンレスモデルだ。また、一般的なスティックPCでは無線LANのみ対応だが、「PI221 pico」では有線LANコネクタを搭載するところが興味深い。

ZOTACのPI221 pico。HDMIコネクタ直結のいわゆるスティック型PCだが、CPUにAtom x5-Z8300が使われている

表面が凸凹したアルミ外装でファンレスに加えてスティックPCとしては珍しい有線LANポートを備えているが、一般購入はいまのところムリだろう

説明員によると「アキバの店頭に並ぶことはない」とのこと。どちらかというと最新スペックが重視されるコンシューマー製品と比較すると、組込向け製品に求められるのは安定・長期供給や高い信頼性で、販売部隊も異なる。仮にアキバで一般販売されるとしても別の型番になるだろうが、有線LAN端子が付いて安定的な通信が行えるスティックPCというのはちょっと気になる存在だ。