阪急電鉄は神戸阪急ビル東館(兵庫県神戸市)の建替え計画を公表した。旧神戸阪急ビル東館は1936(昭和11)年3月、神戸駅(現在の阪急神戸三宮駅)と一体の建物として誕生。1995年1月の阪神・淡路大震災で被災・解体するまで、神戸・三宮のシンボルとして親しまれてきた背景を持つ。

新たな神戸阪急ビル東館は阪急神戸三宮駅と一体的に整備され、低層階で旧神戸阪急ビル東館のデザインを再生する

現在のビルは震災後、駅機能の復旧に合わせて暫定的に再建した建物となっている。その後も本格的な建替計画の検討や関係機関との協議を進め、このたび神戸市の都市景観審議会で計画概要を報告するに至ったという。

計画によれば、現在の地上3階建てのビルを取り壊し、商業施設、オフィス、ホテルなどが入る高さ120mのビルを建設。地上29階、地下3階建てで、地下2~3階は商業施設や駅コンコース、地下鉄への連絡通路などで使用。4~15階はオフィス、17~28階はホテル、29階は展望フロアやレストランとなる。地下3階と16階は機械室となる。

神戸阪急ビルの最上階(29階)に展望フロアも整備される

高層階に入るホテルは、阪急阪神ホテルズが展開する宿泊主体型ホテル「remm(レム)」になる予定。オフィスフロアの最上階(15階)には、神戸市が検討している産学交流拠点を誘致する計画もあるという。低層階では旧神戸阪急ビル東館のデザインを再現し、長年親しまれた旧ビルのイメージを継承しつつ、新たな神戸のランドマークをめざす。