海外では「でき婚」どう考えられている?

妊娠をきっかけに結婚を決める「でき婚」は、今の日本ではそんなに驚かれることのないものになっています。その割合(結婚期間が妊娠期間より短い出生)は全体の25~26%もあるのだそう(厚生労働省平成22年度人口動態統計特殊報告)。そんなでき婚は、世界ではどのように思われているのでしょうか。日本在住の外国人20人に聞いてみました。

大して気にされない・だいたいは結婚を選ぶ

・「マレーシアでは(でき婚は)年々増えてきてます。だいたい結婚する人が多いです」(マレーシア/30代半ば/女性)

・「(でき婚は)増えてきていると思います。また、日本と同様に、友人や親戚の中で話題にはなりますが、そこまで気にしません」(シンガポール/20代後半/男性)

・「ロシアはもちろん、女の人が妊娠したら、結婚するのは普通です。その意味で日本との違いがありません」(ロシア/20代後半/男性)

・「ポーランドもでき結婚が多いです。子どもができると結婚する義務があります」(ポーランド/30代前半/女性)

・「(日本と同じく)ある。男性が責任を持って結婚すべきだと思う」(中国/20代半ば/男性)

結婚しないケースも

・「スペインにもそういう結婚があります。でも、日本より結婚せずに子どもをうむカップルが多いです」(スペイン/30代前半/男性)

・「でき婚はあります。近年だと普通だ思う。別になんとも思わない人がほとんどです。逆にひとりで育てることを選ぶ女性も増えてる気がします」(カナダ/30代前半/女性)

・「オーストラリアには結婚に対する規制が少なく、内縁状況のままで子どもをつくることが少なくありません。もちろん多人種の国ですので、風習の関係ででき婚のケースもあります」(オーストラリア/30代後半/男性)

・「子どもをうんでも結婚しないというカップルは普通にありますし、妊娠したから結婚するというカップルも昔から普通にあります。あまり何も思われないと思います」(イタリア/30代前半/男性)

・「ウクライナにも昔からでき婚の問題がありますが、妊娠を機に結婚するケースは減少しているようです」(ウクライナ/20代半ば/女性)

良く思われていない・良く思わない

・「(日本と)同じく多い。良く思われていない」(インドネシア/20代後半/男性)

・「香港はまだ少ない方な気がします。結婚するというのはとても大事なことなので、でき婚は周りに軽く見られます」(香港/20代後半/女性)

・「カトリック宗教が強く影響されたフィリピンでは、今でもでき婚はあんまり良くないです。最近はほんの少しだけ受け入れられてるかもしれませんが」(フィリピン/30代半ば/女性)

・「日本に比べたら多くないですが、あります。現代社会には普通の現象ですが、やはり良くないと思います」(台湾/40代後半/女性)

・「(日本と)同じです。ただ、自分が思うには生まれてくる子どもがたいがい幸せでない家庭で育つことになるので反対です」(ブラジル/40代前半/女性)

母国ではない・少ない

・「トルコでは少ないです。大都市ではあるようですが、全体としてはかなり少ないです。基本的には、結婚してから子どもをつくるべきという考え方があります」(トルコ/40代前半/男性)

・「ベトナムではでき婚はあまりないです。まだ結婚してないのに妊娠し、結婚することは非常に禁忌なことです。それに、責任をとる男性がほとんどがいないです。そのため、堕胎することが多いです。大変良いことではないですが」(ベトナム/30代前半/女性)

・「バングラデシュで少ないです。宗教的にダメです」(バングラデシュ/20代半ば/男性)

・「エジプトではそんなことはありません。個人的な意見ですが、そういう結婚の成功率が将来的に低いと思います。愛がなければ結婚しない方がいいと思います」(エジプト/20代半ば/男性)

こんな考え方の国も

・「韓国でも増えています。韓国は保守的な儒教社会であったため、昔は隠すことも多かったです。今は少子化が進んでいるので、でき婚する女性のことを『嫁入り道具を持参してくれた』と言って励ましてくれます」(韓国/30代前半/女性)

総評

「良く思われない」という国があれば、結婚せずにカップルで育てたり、ひとりで育てたりすることを選択するケースが増えている国もあるようです。このあたりは、日本だけでなく世界各国で生き方が多様化していることが理由のひとつかもしれません。保守的だった韓国が、妊娠した女性に「嫁入り道具を持参してくれた」と言うケースもあることに驚きも感じますが、そうした考えはまだ一部のものかもしれません。ともあれ、どんな境遇で妊娠したとしても、赤ちゃんが幸せになってくれることが一番ですね。

調査時期: 2016年2月15日~2016年3月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20人
調査方法: インターネット応募式アンケート

※本文と写真は関係ありません