保育士の給与について話題になっているが、実際どのくらいなのだろうか。2013年のデータにはなるが、東京都福祉保健局が公表している「東京都保育士実態調査」を参照してみた。
同調査は2013年8月26日~9月10日、郵送配布・郵送回収で行われた。対象は2008年4月~2013年3月に東京都に保育士登録(書換え登録等を含む)をした3万1,550人で、有効回答数は1万5,369件。
6割弱が正規、3割がパート
回答者のプロフィールを見ると、女性が91.5%と大半を占める。また年齢層としては20代41.5%、30代25.0%、40代19.9%が多く、配偶者・子どものいる人が42.9%、配偶者・子どものいない人が37.8%となっている。
回答者のうち、保育士として働いているのは5割強。その雇用形態をみると、6割弱が「正規職員」、3割が「有期契約職員(パート)」だった。通算就業年数は平均約5年で、正規職員よりパートの方が長い。
雇用形態別の運営主体をみると、正規職員は民設・民営(社会福祉法人)、有期契約職員(フルタイム)は公設・公営、パートでは民設・民営(社会福祉法人)で働く人の割合が高い。
平均年収は正規269.2万円、パート104.1万円
保育士の平均年収は「212.4万円」。雇用形態別にみると正規職員の平均年収は「269.2万円」、パートは「104.1万円」だった。給与に対する満足度は、パートのほうが正規やフルタイムに比べて高い。
保育士として働いている人の職場への改善希望点については、「給与・賞与の改善」「職員数の増員」「事務・雑務の軽減」が上位を占めているが、特に退職意向者から多くの声が挙がっている。また退職意向の理由としては「給料が安い」や「仕事量が多い」が挙げられており、特に正規でその傾向が強い。
過去保育士の希望する年収額について、過去正規で雇用されていた人の希望額は「269.8万円」と、ほぼ現在正規職員実態額と同等の金額(269.2万円)。しかし、正規職員雇用のみを希望する人の希望年収額をみると「307.3万円」であり、正規職員実態額の1割強増しとなっている。さらに、パート・非常勤雇用のみを希望する人の希望年収額は「154.9万円」で、これは現在パートの実態額(104.1万円)の約5割増しとなっている。
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