第39回日本アカデミー賞の授賞式が4日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、『海街diary』が作品賞、監督賞、照明賞、撮影賞の4部門で最優秀賞を受賞。是枝裕和監督と綾瀬はるから出演女優陣が登壇し、受賞の喜びを語った。

最多4冠に輝いた『海街diary』(左から夏帆、綾瀬はるか、長澤まさみ、広瀬すず、是枝裕和監督) 撮影:木場ヨシヒト

『海街diary』は、鎌倉の一軒家で暮らす3人の姉妹と、腹違いの末っ子が家族になっていく姿を描いた作品。優秀主演女優に長女役の綾瀬はるか、優秀助演女優賞に次女役の長澤まさみと三女役の夏帆、新人俳優賞に四女役の広瀬すずと、姉妹そろっての受賞が話題となっていた。

是枝監督は、「すごく長い時間をかけて撮影させていただいた、お金を出していただいたプロデューサーの方々にも本当に感謝しています」と関係者の貢献に言及。撮影は実在する鎌倉の民家を借りて1年を通して行われたため、「あの家がなかったら多分撮れなかった映画だと思います」と振り返った。

一方の綾瀬は、「本当にうれしいです。みんなで一つになって作ったものを多くの方々に見ていただけたことが、何よりありがたいと思っています」と笑顔を見せ、続く姉妹たちも「同世代の女優さんと共演する機会はなかなか少ないなと思っていて、一緒に現場にいることで、自分の未熟さも感じられて、頑張らないとと勇気をもらえました」(長澤)、「ここにみんなで立てることが本当に嬉しいです」(夏帆)と喜びを伝えた。

末っ子役の広瀬は感極まった様子で「この空間にいるのがすごく、鳥肌が立ちっぱなしなんですが」と前置き。「お姉さんたちのような女優さんになれるように、追いかけ続けられるように頑張ります」と今後の目標を話すと、司会を務めていた西田敏行も優しい声で「すずちゃん、頑張ってね」と声をかけていた。

前列左から黒木華(最優秀助演女優賞)、是枝裕和監督(最優秀監督賞)、安藤サクラ(最優秀主演女優賞)、本木雅弘(最優秀助演男優賞)、後列左から新人俳優賞の篠原篤、有村架純、野田洋次郎、土屋太鳳、広瀬すず、山崎賢人、藤野涼子

■最優秀賞受賞リスト

作品賞…『海街diary』
監督賞…是枝裕和(『海街diary』)
主演男優賞…二宮和也(『母と暮せば』)
主演女優賞…安藤サクラ(『百円の恋』)
助演男優賞…(本木雅弘『日本のいちばん長い日』)
助演女優賞…黒木華(『母と暮せば』)
アニメーション作品賞…『バケモノの子』
脚本賞…足立紳(『百円の恋』)
音楽賞…サカナクション(『バクマン。』)
編集賞…大関泰幸(『バクマン。』)
録音賞…松陰信彦(『海難1890』)
照明賞…藤井稔恭(『海街diary』)
撮影賞…瀧本幹也(『海街diary』)
美術賞…花谷秀文(『海難1890』)
外国作品賞…『アメリカン・スナイパー』
■これまでの最優秀作品賞

第38回…『永遠の0』 第37回…『舟を編む』
第36回…『桐島、部活やめるってよ』
第35回…『八日目の蝉』
第34回…『告白』
第33回…『沈まぬ太陽』
第32回…『おくりびと』
第31回…『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
第30回…『フラガール』
第29回…『ALWAYS三丁目の夕日』
第28回…『半落ち』
第27回…『壬生義士伝』
第26回…『たそがれ清兵衛』
第25回…『千と千尋の神隠し』
第24回…『雨あがる』
第23回…『鉄道員(ぽっぽや)』
第22回…『愛を乞うひと』
第21回…『もののけ姫』
第20回…『Shall we ダンス?』
第19回…『午後の遺言状』
第18回…『忠臣蔵外伝 四谷怪談』
第17回…『学校』
第16回…『シコふんじゃった。』
第15回…『息子』
第14回…『少年時代』
第13回…『黒い雨』
第12回…『敦煌』
第11回…『マルサの女』
第10回…『火宅の人』
第9回…『花いちもんめ』
第8回…『お葬式』
第7回…『楢山節考』
第6回…『蒲田行進曲』
第5回…『駅 STATION』
第4回…『ツィゴイネルワイゼン』
第3回…『復讐するは我にあり』
第2回…『事件』
第1回…『幸福の黄色いハンカチ』