LITALICOは、障がい者雇用を行った企業担当者を対象に実施した調査の結果を公表した。調査は10月13日~31日にかけて実施し、157社から回答を集めた。
障害者差別解消法、54.8%が「内容を把握している」
来年4月に施行される「障害者差別解消法」についての対応や内容把握の状況について尋ねたところ、「内容を把握している」は計54.8%と半数以上に達したが、具体的な対策に関しては「既に実施している」が5.7%、「検討している」が13.4%と、何らかの対策を実施・検討している企業は全体の2割弱にとどまっていることがわかった。
また、44.5%が「名前程度なら聞いたことがある」「知らない」と回答しており、法施行まで半年を切る状況でも、認知が進んでいない状況も明らかになった。
障害者差別解消法に関連して具体的な対策を「実施・検討している」と回答した企業を対象に、実施・検討している対策を尋ねたところ、3分の2を超える企業が「定期的な面談の実施」と回答した。次いで「支援機関らと連携した本人に必要な配慮の把握」「従業員に対する障がい理解啓発研修の実施」となっている。
「障害者差別解消法」に提供義務が定められる「合理的配慮」の認知状況について尋ねたところ、「知っている」は46.5%と半数以下で、「初めて聞いた」という回答も24.2%見られた。「知っている」と回答した企業に「配慮提供が難しいと感じる障がい種別」を尋ねたところ、「精神障がい」の回答が最も多かった。
障がいのある人を雇用しての感想を尋ねたところ、89.2%の企業が「(とても/まあまあ)良かった」と回答した。「雇用したことで良かったと感じた点」では約3分の2の企業が「社員の障害理解が深まった」を挙げたほか、約2割の企業が「職場の雰囲気が良くなった」と答えた。
また、「本人が期待通りの活躍をしてくれた」の回答が約4割の企業から挙がるほか、「業務が整理された」「業務効率が上がった」など業務環境自体に良い影響があったという回答も、それぞれ2割以上の企業から挙げられた。
一方で「課題と感じた点」については、半数が「担当業務の切り出し/選定」と答えている。次いで「職場でのコミュニケーション」「面談や相談員などの本人へのフォロー/配慮」と続いた。「仕事の任せ方」や「フォロー体制を含めた本人とのコミュニケーション」に課題を感じる企業が多いことがうかがえる。