日本ならではの書道の筆文字、そのデザインをどう思いますか?(画像はヤマハの男声歌声ライブラリ「VOCALOID3 Library ZOLA PROJECT」のために書家・武田双雲氏が書いたロゴマーク)

日本の代表的な芸術「書道」。中国より伝えられてからというもの、多くの芸術家や知識人が漢字や仮名の造形を研究し、その表現に取り組んできました。書体ごとに技術を学び、基本を元に自らの個性も乗り移らせる作業は奥深く、ストイックなものでもあります。そんな書道における筆文字ですが、外国の方にはどう見えているのでしょう。

日本在住の外国人20名に「日本ならではの書道の筆文字、そのデザインをどう思いますか?」と質問してみました。

■選んだ文字の意味や書き方で何を伝えたいのかがわかります。かっこいいです。(タイ/30代後半/女性)
■書き方によって違うがかっこいい文字がいっぱいある。でもその文章や意味を説明しないと皆にはわからない。(ロシア/20代前半/女性)
■高いスキルが必要だと思う。自分もきれいに書けるようになりたい。(イギリス/20代前半/女性)
■きれいに書けるとかっこいいですが、下手な人だとよくわかりません。(トルコ/30代前半/女性)
■漢字の美しさを表現できる。(台湾/40代前半/男性)
■アラブの書道と同じくらい、とてもきれいだと思う。(チュニジア/40代後半/男性)
■とてもきれいだと思います。(アメリカ/20代後半/男性)
■すごくきれいです。(ベトナム/30代前半/女性)
■cool(ドイツ/40代前半/女性)

95%が高い評価だった書の文字デザイン。書道の起源は中国ですが、日本では漢字から派生した仮名も使われて独自の文化を形成しています。仮名と漢字は真逆の形状になるため、その組み合わせやバランスを考えることも、日本の書道ならではの美しさでしょう。

また、写経などに見られるように、書は書くことを通して人格や情操を深める修行の一つでもあります。一般的にはこうした古典の模写から書体や書風などを学び、次第に創作へと進める学び方が多いそう。「初唐の三大家」欧陽詢(おうようじゅん)・虞世南(ぐせいなん)・猪遂良(ちょすいりょう)や日本の「三筆」空海・嵯峨天皇・橘逸勢など各国に有名な書家がおり、彼らの作品を用いることもよくあります。

楷・行・草・隷・篆・かな(文字の進化過程に沿った形)などの書体とそれぞれに適した書法があり、文字の美しさを表現するにはある程度の訓練が必要。楷書であれば、切れ味鋭い筆致が美しい「九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんのめい)」、行書なら王羲之による流れるようなリズミカルさと柔らかさもある「蘭亭序(らんていじょ)」などがお手本にされますが、その筆致の個性を掴みやすいことも大きいと言えるでしょう。

■かっこいいと思います。日本らしさを感じます。(フィリピン/40代前半/女性)
■書道大好き! すごくかっこよくて素敵。(スウェーデン/40代後半/女性)
■かっこいいと思います。(韓国/40代後半/男性)
■かっこいいと思う。(アルゼンチン/30代前半/男性)
■かっこいいです。(中国/20代後半/女性)
■かっこいいです。(ブラジル/20代後半/男性)
■かっこいいと思います。(マレーシア/30代前半/男性)
■かっこいいと思います。(ペルー/30代前半/男性)
■かっこいいと思います。(イスラエル/30代後半/女性)
■とても迫力のあるところが好きです。(スペイン/30代後半/男性)

白い半紙に黒い墨で書かれた筆文字はストイックさも感じられ、確かにかっこいいものです。顔真卿のように迫力ある筆致もあれば、仮名の優美さもあるのが書の面白さ。仮名は特に日本の独自性を示す書体ですが、最も有名なのが11世紀の作品「高野切」です。『古今和歌集』を書き写したものとして、日本書道史でも極めて重要な作品と言われています。平安時代には女性が使う文字とされ、小野小町や紫式部など女性の文学者や作品を生み出したことも有名ですよね。

よい評価が集まった今回のアンケート。「かっこいい」、「きれい」といった回答だけでなく、日本の文化面や書体などに言及される方も多数おられました。また、書道に取り組まれている方からの「きれいに書けるようになりたい」という回答も。書に表された日本人の感性や思いが、時を超えて外国人の皆さんにも伝わっている。そう思うと嬉しいものですね。