全労働省労働組合はこのほど、労働基準監督官を対象に実施した「緊急アンケート」の結果を発表した。それによると、専門職に就き、高収入を得ている人を労働基準法の時間規制から外すいわゆる「残業代ゼロ制度」について、過半数が「反対」と答えたことがわかった。
調査期間は2014年11月、有効回答は20~60代の労働基準監督官1,370人。
一定の年収要件を満たし、職務範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者について、時間ではなく成果で評価するというニーズに応えるため、労働時間規制を適用除外する「新たな労働時間制度(残業代ゼロ制度)」を導入することをどう思うかと尋ねたところ、53.5%が「反対」と回答。一方、「賛成」は13.3%、「どちらとも言えない」は33.1%だった。
同制度が導入された場合の影響については、「長時間・過重労働がいっそう深刻化する」が圧倒的に多く73.4%。反対に「長時間労働が抑制され、効率的な働き方が広がる」は4.2%にとどまり、「わからない」は22.4%となった。
労働時間規制について必要と考える対策を聞くと、「実労働時間の把握義務の法定化」が最も多く72.3%。以下、「労働基準監督官の増員」が62.2%、「管理監督者や裁量労働制等にかかる規定の明確化」が60.7%、「時間外・休日労働にかかる上限規制の導入」が45.5%と続いた。