スパイラルは、今年5月に開催した「SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル) 15」でグランプリを受賞した山本優美の個展「うつしみ」を開催する。開催期間は10月25日~27日、開場時間は11:00~20:00。会場は東京都・表参道のショウケース(スパイラル1F)。入場無料。

「SICF15」グランプリ受賞作品「存在の感触 ーキャミソールー」(2014)

「存在の感触ー靴下ー」(2014)

同展は、本物と見紛うほど精巧に、手作業で日用品を象った陶作品によって高く評価されているアーティスト、山本優美(やまもとまさみ)の新作個展。柔らかな肌触りを連想させるモチーフが凍りついたかのように永遠に形を定着させられ、同時に陶器特有のもろさをまとったその姿は、それを身につけていたであろう持ち主の哀歓を醸し出している。

また山本は、焼くことにより形をとどめる「陶器」を"記憶のメディア"ととらえており、今回初めて題材として選んだ祖母の持ち物に、祖母のライフストーリーを重ね合わせ、その時間と想いを丁寧に彫り込んでいる。展覧会タイトルの「うつしみ」とは、この世に生きている身=「現身(うつしみ)」を意味し、現代に生きる人の痕跡を「記憶のメディア」で浮き彫りにする。

なお「SICF」は、スパイラルが2000年から開催している公募展形式のアートフェスティバル。さまざまなジャンルのクリエイター100組を選出し、毎年ゴールデンウィーク期間中、スパイラルホールにて展示を行っている。次回の「SICF16」は、11月1日より参加者の募集が開始され、2015年5月2日~5日に開催予定。

さらに山本は現在、神田のGallery OUT of PLACE TOKIOにて開催されている、隠﨑麗奈との二人展「Killing me softly」に参加しており、こちらでも新作を出品している。