映画『喰女―クイメ―』の完成報告会見が12日、都内で行われ、キャストの市川海老蔵、柴咲コウ、中西美帆と三池崇史監督が出席した。

映画『喰女―クイメ―』の完成報告会見に出席した三池崇史監督、柴咲コウ、市川海老蔵、中西美帆(左から)

23日に全国公開される本作は、日本三大怪談の一つ"四谷怪談"を、現代に置き換えて描いたホラー作品。俳優の浩介(市川)は、舞台「真四谷怪談」でお岩を演じる恋人で女優の美雪(柴咲)の推薦で、伊右衛門役に大抜てきされる。しかし、男女の愛と欲望が渦巻き、次第に虚構が現実を飲み込んでいく――というストーリーで、市川、柴咲のほかメインキャストで伊藤英明が出演している。

2010年に歌舞伎で伊右衛門役を演じて以来、映画化を熱望していたという市川は、「うちの先祖が得意としていた演目なので、自分も踏み込みたかったし、多くの方に"四谷怪談"を知っていただきたかった」と感無量。劇中では、外見が二枚目でも女性を裏切る"色悪"を演じているが、柴咲や中西らとの共演を「(歌舞伎で)女性と接することはなかなか無いので、うれしかった。照れながら恥じらいながら、撮っていただいたひと時でした」と笑みを浮かべながら振り返った。

本作で初共演となった市川について、柴咲は「初めて会った時は真面目な方だと思ったけど、撮影中はノックをせず控室に入ってくるから困りました」と苦笑いでエピソードを披露。一方の中西は初のラブシーンに挑み、「初めてのお相手が素敵な海老蔵さんで光栄。緊張したけど、悔いのないように一生懸命やらせていただきました」と微笑み、「ラブシーンの時に海老蔵さんがソワソワしてて安心したんです。でも、それはフリだったみたいで、気配りが出来る優しい方だと思いました」と暴露すると、市川は首をかしげながら照れ笑いしていた。

また、この日、キャストのひとりである女優のマイコが登壇予定だったが、10日に俳優の妻夫木聡との熱愛が一部で報道され、所属事務所と配給の東映の協議により急きょ欠席。会見冒頭に怪談噺「のっぺらぼう」を披露した桂文治師匠が「映画に関しての質問だけで」と念を押すと、市川は「違うのも言ってみて下さいよ」とニヤけ顔で挑発して笑いを誘っていた。