ルネサスエレクトロニクスは、USB Power Delivery Specification仕様に対応したコントローラLSIを開発し、「μPD720250」の名称で2014年7月よりサンプル出荷を開始する。

μPD720250は、USBケーブルを経由して最大100W(20V/5A)の電力需給を実現できるコントローラLSI。例えば、ノートPCへのUSB給電、スマートフォン/タブレットの充電時間短縮、各種機器に付属するACアダプタの共通化によるコスト削減などが可能になるとしている。

ルネサスのUSB Power DeliveryコントローラLSI「μPD720250」

従来のUSB規格では、USBの給電能力は最大7.5W(5V/1.5A)だったが(USB Battery Charging Specification Revision1.2)、消費電力が大きいノートPCなどへも給電できるように、上述のUSB Power Delivery Specification仕様が2012年に策定された。

加えて、USB Power Delivery Specification仕様では、給電の方向を変更することも可能(従来はUSBホスト機器から周辺機器への一方通行)。ルネサスエレクトロニクスは具体例として、ノートPCとテレビをUSB接続し、ノートPCからテレビへは映像出力、そしてテレビからノートPCへとUSB給電するといった新しい用途の創出が見込めるとしている。

今回のμPD720250、電力の供給側と受給側の両方に対応しているほか、SMBus経由でのコントロールが可能なため、タブレットやノートPCなどへの組み込みが容易。ルネサスエレクトロニクスは今後、ボードやソフトウェアを含めた各種システムに対応するソリューションキットを提供し、システム開発をサポートしていく。