小田急電鉄はこのほど、2014年度鉄道事業設備投資計画を発表した。安全対策の強化・輸送力の増強・サービスの向上を3本の柱とし、総額235億円の設備投資を行うとしている。

写真は小田急電鉄1000形(10両編成)

安全対策としては、地震や雨などによる自然災害対策のための工事を引き続き推進するとともに、列車運行の安全性を高める設備やシステムの導入を進める。とりわけ、大規模地震に備えた耐震補強を進め、今年度は代々木上原駅、本厚木駅、本厚木~愛甲石田間と多摩線の高架区間、相模川橋梁で耐震補強工事を実施する計画だ。

新たな列車制御システム「D-ATS-P」の導入も推進。すでに多摩線と江ノ島線では運用を開始しているが、今年度は小田原線新百合ヶ丘~小田原間で運用を開始するほか、新宿~新百合ヶ丘間の地上設備工事も進める。

輸送力増強に向け、東北沢~世田谷代田間の複々線化事業も推進する。今年度は緩行線トンネル構築に向けた土留め・掘削工事や駅舎工事、下北沢駅で交差する京王井の頭線の橋梁架替え工事などを進める。参宮橋駅では、複々線完成後の各駅停車10両化に向けたホーム延伸関連工事を行う。

サービス向上に向け、通勤車両のリニューアルにも着手。今年度は通勤車両1000形2編成8両をリニューアルし、車いすスペース、車内LCD表示器、自動放送装置を新設。制御装置の更新や車内照明のLED化により運転用電力を削減するほか、床下機器の低騒音化を図るなど環境面にも配慮する。また、現在東口改修工事を進めている本厚木駅では、中央口の改修工事にも着手。東口では駅直結の商業施設「小田急本厚木ミロードイースト」が5月24日にオープンするのに合わせ、改札口を増設する。