フィールドマーケティング支援サービスを提供するソフトブレーン・フィールドはこのほど、「胃腸薬(医薬部外品含む)の購入理由」分析の結果を発表した。同調査はクレディセゾンとの共同事業である購買理由データ提供サービス(「永久不滅.com」サイト上のサービス「レシートで貯める」)のデータをもとに、全国の消費者から報告された2013年12月1日~2014年2月28日の3カ月間、962レシートデータを分析したもの。

どの期間でも「太田胃散」が1位

「太田胃散」が存在感を発揮

期間中における胃腸薬の購入レシート962枚を集計したところ、シェアの1位は太田胃散の「太田胃散」で11.6%。3カ月間連続1位だった。2位は第一三共ヘルスケアの「第一三共胃腸薬」で7.1%、3位はロート製薬の「パンシロン01+」で6.9%となった。

コンビニが早朝と深夜の胃腸薬需要に対応

胃腸薬は「ドラッグストアで買う」人が多い

胃腸薬の購入場所を業態別に見ると、「ドラッグストア(薬局を含む)」が75.5%、「スーパー」が12.0%、「コンビニエンスストア」が11.0%、その他が1.6%だった。

「コンビ二」は早朝と深夜に購入する人が多い

このうち「ドラッグストア」「スーパー」「コンビニ」における時間帯ごとの購入比率を見ると、コンビニでは「4時~7時59分」に購入した人の比率が14.2%、「20時~23時59分」に購入した人の比率が13.2%となっており、早朝と深夜の胃腸薬需要を取り込んでいることが数字に表れた。

ドラッグストアとコンビニでは売れ筋が異なる

業態ごとのレシートシェアを見ると、「ドラッグストア」では総合トップの「太田胃散」が13.2%で1位だったが、「スーパー」では小林薬品の「ハリー胃腸内服液」が20.0%で1位、「コンビニ」では大鵬薬品の「ソルマック」が31.1%で1位となった。上位5位のうち「ドラッグストア」と「スーパー」では3つが重なっており、売れ筋商品は似た傾向にあった。

「コンビ二」は売れ筋商品が他業態と異なる

対して「コンビニ」ではランキングがまったく異なっていた。コンビ二で2位にランクインしたのは第一三共ヘルスケアの「第一三共胃腸細粒(医薬部外品)」で25.5%、3位はエスエス製薬の「エスエス胃腸顆粒(医薬部外品)」で17.0%、4位は興和の「キャベ2コーワソフト(医薬部外品)」で10.4%、5位は興和の「液キャベコーワ」で4.7%となっており、その場で飲むことのできるドリンクタイプ、気軽に購入できる細粒タイプ、顆粒タイプの医薬部外品のシェアが高いことがわかった。

コンビニでの胃腸薬購入はトライアル要素が高い傾向

「ドラッグストア」は「常備薬」需要が高い

各業態でレシートシェア上位3つに入った商品について、その業態で購入した理由を見てみると、「ドラッグストア」では「魅力的な商品特徴」「いつも買っている」「値頃感」「家族が気に入っている」などの理由が購入を後押ししており、家庭の常備品として胃腸薬を購入している様子がうかがえた。

「スーパー」トップの商品は「値頃感」で人気

また、「スーパー」でレシートシェアトップだった流通限定PBの「ハリー胃腸内服液」では、全ての購入者が「値頃感」を理由に挙げており、価格競争力の強さが購入に結びついていることがわかった。

「コンビ二」購入者はヘビーユーザーが多い

「コンビニ」で売れている胃腸薬については、ドリンクタイプの「ソルマック」では「魅力的な商品特徴」「いつも買っている」を挙げた人が多く、ヘビーユーザーが購入していることがわかった。

一方、「第一三共胃腸細粒(医薬部外品)」と「エスエス胃腸顆粒(医薬部外品)」では、「魅力的な商品特徴」に加えて、「値頃感」を挙げる人が多く、1包~3包単位で手軽に購入できるこれらの商材がコンビニを利用する客層のニーズにマッチしていることがうかがえた。