ロシアで開催中のソチ五輪で日本時間14日、フィギュアスケートの男子シングルのショートプログラムが始まった。同15日のフリー、さらには同20日から始まる女子シングルをテレビ観戦する人も多いだろうが、そもそもフィギュアの花形である「ジャンプ」の種類を詳しくご存じだろうか。「ルッツ」や「トゥーループ」など、観戦時によく聞くあのフレーズをちゃんと理解できたら「フィギュア通」と言われること間違いなしだ。
フィギュアスケートにおけるジャンプの種類は「アクセル」「ルッツ」「フリップ」「ループ」「サルコウ」「トゥーループ」と全部で6種類ある。各種を簡単に紹介しよう。
■アクセル
浅田真央選手が得意とする「トリプルアクセル(3回転半)」に代表されるアクセルジャンプ。特徴は6種の中で唯一、前向き姿勢で踏み切ることなので見分けやすい。
■ループ
ループはジャンプ直前に特徴が出る。後ろ向き姿勢のまま右足外側のエッジ(スケート靴の刃の部分)で滑りつつ、その勢いを利用して右足で踏み切ってジャンプする。跳躍する瞬間、いすに腰掛けたような姿勢になると言われている。コンビネーションジャンプにも用いられることも多いようだ。
■トゥーループ
トゥーループはループ同様、右足外側のエッジに乗るが、左足のつま先部分(トウ)を氷に着けた状態で踏み切る点が異なる。6種類のジャンプの中で、トゥーループだけが左足のトウを氷に着けて跳ぶため、こちらも比較的見分けがつきやすいのではないだろうか。
■サルコウ
2013年末に現役引退を表明した安藤美姫さんが、女性として初めて4回転を決めた際のジャンプの種類がサルコウ。左足内側のエッジで滑ってきて、踏み切る瞬間、スキーのボーゲンのように両足が「ハ」の字のような形になるのが特徴だ。
■ルッツ
比較的難易度が高いとされているルッツ。左足の外側エッジに体重を乗せた状態で後ろ向きに滑走し、右足のトウをついてジャンプする。左足の内側エッジに体重が乗っているとジャッジに判定されると、減点対象となる。
■フリップ
フリップはルッツと似ているが、ポイントは左足の体重のかかり具合。ルッツとは逆に、フリップは左足内側のエッジに体重をかけて右足のトウをついて跳ぶ。
6種類のジャンプを簡単に紹介したものの、演技の一連の流れで踏み切りの形やエッジへの体重のかかり具合などを判断するのは難しい。テレビ観戦時のスローVTRを活用するなどして、これまでとは一味違ったディープなフィギュアスケートの世界を楽しんでみてはいかがだろうか。