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「お魚フィレに蟹のほぐし身と小海老添え」、「とろけるシーフードポタージュ お魚、蟹かま、小海老」などなど…。最近のキャットフードは、名前からしてとても美味しそうである。自宅の猫に食べてもらう前に、一口味見をしてみたい…と考えてはみたが、ふと「キャットフードを人が食べることはできるのか?」という疑問が浮かんだ。

そこで今回は、この疑問を解決すべく、有名な高級キャットフード・シーバをつくっているマース ジャパン リミテッド社を訪ねてみた。

マース ジャパン リミテッドとは

マース ジャパン リミテッドとは、米国マースインコーポレイテッド(1911年設立)の日本の拠点として、1976年に設立された会社である。「ペディグリー」や「カルカン」、「シーバ」などの著名なペットフードや、「M&M’SR」や「スニッカーズ」などのチョコレートやスナック菓子、世界初の「一杯取り(Brew-by-Pack)システム」のドリンク製品などで有名である。世界74カ国以上で事業を展開しており、本社は米国のバージニア州にある。

シーバとは

同社の主力商品のひとつが、シーバだ。猫の飼い主さんなら一度は見たことがあるだろう。ドライフード、ウェットフードの双方で商品を展開しており、子猫用、成猫用、シニア猫用と年齢別となっている。

実際に試食してみた

商品をたくさん出していただいた

取材に応じてくれたのは、同社 ペットケアマーケティング シニアマーケティングマネージャーの帯金さやかさん。単刀直入に「キャットフードを人が食べることができるのですか?」と尋ねてみると、「猫ちゃんの口に入るものは、人が食べられるレベルであることを前提としています」とのこと。早速社内で試食をさせていただいた。

今回試食させてもらったのは、猫用のウェットフードのみ。帯金さんいわく、「ドライフードも食べることはもちろんできますが、試食していただくのなら、人が食べても美味しいウェットフードがオススメです」とのことだ。

シーバ アミューズ「お魚フィレに蟹のほぐし身と小海老添え」

シーバの「お魚フィレに蟹のほぐし身と小海老添え」を一口食べてみると、だしがしっかりときいていてそのまま人のおつまみにもなりそうな味わいだった。猫ちゃんのご飯は塩分控えめなため、醤油があったほうが良いかと思いきや、うま味でしっかりカバーされている。食べやすいサイズの海老も入っており、プリプリとした食感が楽しめた。

シーバ アミューズ「とろけるミルクチャウダー お魚、しらす、蟹かま」

「とろけるミルクチャウダー お魚、しらす、蟹かま」は、想像した通り、クラムチャウダーのような味わいだった。魚のフィレとしらすからしっかりだしがでており、こちらも追加の味付けなどは一切せずに試食した。クリーミーで濃厚な味わいで、温めてパンと一緒にいただいてもよさそうなほどだ。

シーバ アミューズ「とろけるシーフードポタージュ お魚、蟹かま、小海老」

「とろけるシーフードポタージュ お魚、蟹かま、小海老」は、美しいオレンジ色のスープがベースとなっている。海老の味がうまく引き出されており、つい箸が進む。あまりの美味しさに完食してしまった。

シーバプレミオ「贅沢ささみ」

シーバプレミオ「贅沢ささみ」は、素材の味が引き立つ出来栄え。シンプルだからこそ素材の良質さが際立っており、とろみのあるスープを口にしてみると滑らかで実に舌触りがよかった。

いずれのフードにも共通するのは、うま味がしっかり引き立てられているという点と、臭みがまったくないということ。猫が食べても人が食べてもその美味しさを十分に楽しむことができるだろう。

社員の方たちにインタビュー

シーバの美味しさの秘密を探るべく、同社の帯金さやかさんに話を伺った。

――実際に試食してみてあまりの美味しさに驚きました。猫ちゃんたちに美味しく食べてもらうために、どのような努力がなされているのでしょうか?

猫は、犬と比べて嫌いな味に敏感な傾向にあります。少しでも、「あんまりおいしくない」と感じたら食べてくれないんですね。シーバは、「味をいかにリッチにするか」ということに重点を置かれてつくられています。そのため、うま味成分であるだしがしっかり入ることで、猫ちゃんによりおいしいご飯を楽しんでもらうことができるのです。

また、テスト段階で、数百匹もの猫たちにシーバを試食してもらっています。弊社が設けた一定の水準に商品レベルが達していれば、一回で試食が済むこともありますが、何度もテストすることもあります。

――なるほど。美味しく出来上がるはずですね。「極上フレーク 小海老と蟹かまを添えて」などのように、商品名にも高級感が漂っていますが、ネーミングはどのようにして行われているのでしょうか?

人が食べる料理の名前を参考にしています。特に、「ふっくら」とか「しっとり」といった語感も大切にしています。

ちなみに、シーバは毎日食べるご飯というよりは、特別な日のご馳走、ご褒美として猫ちゃんに喜んでもらえるものとして開発されています。そのため、中身はもちろんのこと、商品パッケージにもこだわっていて、箱包装にして高級感を演出しているものもあります。黒は、食材をよりおいしそうに見せることができる色なので、パッケージにも黒を使用しています。CMには、ロシアンブルーやブリティッシュショートヘアなどの高貴な印象のある猫ちゃんたちに登場してもらっています。

――シーバをおいしく食べるオススメの方法があったら教えてください。

ドライフードの場合は、あけてから時間がたつと風味が損なわれてしまいます。食べきることができるよう、シーバデュオは個包装してあるので、開封してからあまり時間をおかないことが大切です。また、ウェットフードの場合は、湯せんなどで30℃~40℃程度まで温めてあげると食いつきがより良くなります。猫ちゃんが火傷しないよう、温めすぎには十分注意してください。

――シーバの開発に携わってみて、うれしかったことを教えてください。

猫たちの反応を聞くとうれしく思います。たとえば、シーバが大好きな猫ちゃんの場合、家の中のどこにシーバがしまってあるのかを把握していたりします。飼い主さんがシーバの保管場所の前を横切ると「ニャン」とないておねだりするなんて話を聞くととてもうれしいです。

――それは確かにうれしいですね(笑)。それでは、シーバという商品に対する愛情を語ってください。

一般的に、普段ツンツンしている猫は多いかと思います。その猫が、足元に擦り寄ってきておいしそうにご飯を食べてくれると、猫の飼い主さんたちはすごくうれしい気持ちになると思うんですね。シーバは、それを叶えることができます。猫たちと、飼い主さんたちの何気ない幸せを実現させるお手伝いができることを本当にうれしく思います。

――最後に、まだシーバを買ったことがない飼い主さんたちに一言メッセージをお願いいたします。

おいしさには自信があります。一度食べたらもうやめられないと思います(笑)。猫ちゃんが本当に喜んでくれると思うので、是非ともシーバを体験してみてください。

――ありがとうございました。