世界経済フォーラムはこのほど、「国際男女格差報告2013」を発表した。それによると、日本は調査対象の136カ国中105位となり、前年より4つ順位を下げた。これは調査を開始した2006年以来、過去最低の順位となる。

同調査は、「経済的平等」「政治参加」「健康と生存」「教育機会」の4分野で男女平等の度合いを評価したもの。

男女格差が最も小さかった国は、アイスランドで5年連続1位。以下、2位はフィンランド、3位はノルウェー、4位はスウェーデン、5位はフィリピンと続いた。上位4カ国は、いずれも男女格差が80%以上縮小した。また、5位のフィリピンは、アジア・太平洋地域の中で最も進展が目覚ましく、レポートのサブ指数である経済活動への参加と機会が向上したとともに、政治参加についても高いスコアを示した。

アジアについて見ると、日本は前回の101位から4つ順位を下げ、105位。日本の順位が下がった要因については、「女性議員が減少したことにより、経済活動への参加と機会でのスコア向上が目立たなくなった」(世界経済フォーラム)と分析している。

アジア・太平洋地域トップ10(出典:世界経済フォーラムWebサイト)

中国は全体的にスコアが向上した結果、前回と同じ69位を維持。一方、韓国は前回から3ランク下げて111位となった。韓国は、労働人口の減少と賃金平等に対する認識が十分でないことなどが影響した。

また、アジア・太平洋地域における男女間の経済的格差の縮小は56%にとどまり、中近東および北アフリカ諸国を除く世界全地域と比較すると後れを取っていることがわかった。

ヨーロッパについては、男女格差を排除する取り組みに分極化が見られ、北・西ヨーロッパと南・東ヨーロッパの間に大きな差が生まれた。スペインは男女格差を72%縮小して30位、フランスは70%縮小して45位となったのに対し、イタリアは71位にとどまった。

ラテンアメリカについて見ると、最も男女格差が小さかった国は10位のニカラグア。ニカラグアは、政治面での女性の権利拡大について高く評価された。次いで、15位にキューバ、25位にエクアドルなどとなった。

中近東および北アフリカは、2013年において全体的な向上が見られなかった唯一の地域となった。なお、同地域の中で最も順位が高かったのはアラブ首長国連邦で109位だった。

アフリカについては、16位にレソト、17位に南アフリカ共和国、22位にブルンジ、26位にモザンビークが入るなど多くの国が高評価を受けた。女性の労働人口が増加したことなどが主な要因だが、依然、技術を必要としない低賃金の経済部門で働く女性は多数いるという。