東京電力は2日、福島第1原子力発電所の汚染水貯留タンクで新たに高濃度汚染水の漏えいが見つかったと発表した。
今回、漏えいが発見されたのはB南エリアに設置されている貯留タンク(BエリアAグループNo.5タンク)。同エリアの堰内に台風で溜まった水を処理するため作業を行っていた同社社員が、2日20時5分頃、当該タンク上部天板部から水が漏れていることを発見したという。
その後、改めて現場の状況を確認したところ、タンク上部天板部から漏えいした水は、堰内に滴下しているほか、当該タンク外周に設置されている点検用の足場を介して堰外へも滴下していることが、同日21時55分にわかった。
このことから同社は、福島第1原発原子炉施設の保安および特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき」に該当すると判断した。
堰内に溜まっている水を分析したところ、2日15時採取分からは、ストロンチウムなどベータ線を放出する放射性物質が1リットル当たり20万ベクレル、セシウム137が同54ベクレル検出された。
さらに、その後の調査において、当該タンク上部天板部から漏えいした水は、タンク近くの側溝を通じて構内のC排水路に流れ、海へ流出している可能性があることも判明。同社は、C排水路手前の側溝に土のうを設置し、止水処理を行った。
なお、3日7時に南放水口付近(C排水路出口付近で、1~4号機放水口から南側約300メートル付近)で採取した海水を分析したところ、ベータ線を放出する放射性物質、セシウム134、セシウム137のいずれも検出限界値未満だったという。