東京都・千代田区のアートセンター「3331 Arts Chiyoda」にて、障がいのある人が制作したアート作品を主な対象とした「ポコラート全国公募展 vol.3 受賞者展 金崎将司×伏木庸平」を開催する。開催期間は9月20日~10月6日まで(火曜は休館)、開場時間は12:00~19:00。会場は「3331 Arts Chiyoda」1階メインギャラリー。入場無料。

金崎将司「百万年」(ポコラート全国公募展 vol.3 福住廉賞受賞作品) 紙(チラシ)、240mm×170mm×490mm

同展は、2012年12月に開催した「ポコラート全国公募展 vol.3」の受賞者による連続グループ展の最終回で、金崎将司(福住廉賞)と伏木庸平(千代田区長賞)のふたりによる展示が行われる。金崎の作品は、当初は雑誌やチラシを切り貼りした普通のコラージュであったが、半年程の間にどんどん一部分に紙を貼り重ね、いつの間にか立体になってしまったというもので、一方の伏木は、3年ほど前から縫いはじめ、外側へ布を継ぎ足しながらひたすら多彩な色糸を針で刺し通しつづけている(未完成)、一見それとはわからないほどの緻密な刺繍作品である。

また、9月29日の14:00より受賞者のひとり、金崎将司によるアーティストトークが開催される。会場に素材を持ち込み、紙とのりでつくられた、年輪のような何層もの重なりがどのように作られているのか、実際の制作風景を公開する。

伏木庸平「無題」(ポコラート全国公募展 vol.3 千代田区長賞受賞作品) 刺繍糸、布、1,110mm×1,000mm

さらに、11月24日から次回の入選作品を紹介する「ポコラート全国公募展 vol.4」が開催されるが、それに先立ち、9月21日~23日までの3日間、全国から寄せられた全作品約800点が展示される審査会場を、初の試みとして特別公開する。来場者によるオーディエンス投票も設けられ、審査に反映されることになっている。

なお、「ポコラート全国公募」は、障がいのある方を主な対象としたアート作品の公募で、2010年にスタート。「作品部門」と「ワークショップ部門」の2部門があり、「作品部門」ではジャンルは問わず、既成の枠にとらわれない自由な発想と自発的なエネルギーに満ちた作品を幅広く紹介している。「美術」や「福祉」といった枠組みを超えて"表現そのもの"の可能性を広げようとする試みは、全国的にも類のない取り組みとして注目を集め、応募総数も年々増加している。