公開初日を迎えたSFアクションヒロイン映画『009ノ1 THE END OF THE BEGINNING』の初日舞台挨拶が7日、東京・新宿バルト9で行われ、坂本浩一監督と出演者の長澤奈央、木ノ本嶺浩、市道真央が登壇した。

左から坂本浩一監督、長澤奈央、木ノ本嶺浩、市道真央

本作は、1967年に『漫画アクション』で連載が行われた石ノ森章太郎のセクシーアクションコミックを映画化したもの。『サイボーグ009』などの少年向けSFアクションで有名な石ノ森が手がけた初の"青年向け"作品であり、セクシーさ、バイオレンス風味を効かせたその内容には根強いファンが多い。1969年には、東映・フジテレビ制作で実写ドラマ化(『フラワーアクション009ノ1』)されたほか、2006年には原作の内容に忠実なアニメ版『009-1』が作られた。このたび、石ノ森章太郎生誕75周年を記念して、"戦うヒロイン"を魅力的に描かせたらこの人! との信頼も絶大な坂本監督が、最高のキャストで『009ノ1』を甦らせる。

かつて『仮面ライダーW』『仮面ライダーフォーゼ』の坂本監督回にゲスト出演し、切れのいいアクションを披露した長澤は、岩佐真悠子演じるミレーヌと敵対する女サイボーグ・ミリアム役。セクシーな赤いドレスに身を包んだ長澤は「今回、私はアクションしかしていなくて、ぜんぜん喋ってないんですよ(笑)」とこぼしつつも、「もうアクションにすべてを捧げてますよね。主演の岩佐真悠子ちゃんとは稽古の時からずっと一緒で、一生懸命で真面目な方でした。根がすごく明るくて面白い雰囲気なのに、本番になるとビシッとかっこよく決めるところが素敵だなあと思いました」と岩佐をリスペクト。

『海賊戦隊ゴーカイジャー』のゴーカイイエロー/ルカ役で知られる市道は、長澤と対照的な黒のドレスで登場。『ゴーカイジャー』以来、坂本監督との撮影は久しぶりだったという彼女は、「以前と同じように現場では楽しそうにニコニコされていたのが印象的でした。でもアクションシーンの演出になると目がキリッと変わるので、ああカッコいいなと(笑)」と撮影を振り返りつつ、映画の見どころを「岩佐さん演じるミレーヌの表情ですね。彼女はサイボーグなのでふだんあまり笑わないんですが、ところどころでふと微笑んだりして、そこに人間味が見えるんです」と説明。「また、私と弟が出てくるシーンではのほほんとした雰囲気になりますので、そこで息を抜いていただければと思います」と、明かしていた。

『仮面ライダーW』で刑事ライダー・仮面ライダーアクセルこと照井竜を演じた木ノ本は「坂本監督との仕事ということで、アクションを期待しましたが、この映画ではありませんでした。主要キャストがほとんど女性の中で、僕が"逆紅一点"という形です。こういう立場だと、男子って回りからイジられるんです。現場に入ったのに誰も気づいてくれないとか(笑)」と苦笑い。「でも、監督を筆頭に和気藹々で進んでいく楽しい現場でした。僕の目線で映画を観てくださると、女性陣が魅力的に見えてきます。たくさんの方々に観てほしいです。スカッとする気持ちのいい映画です」と、魅力的な女性陣が活躍する本作の魅力をアピールした。

途中、フランスにいる岩佐真悠子から、スカイプによる生中継が行われる一幕も。本作『009ノ1』はフランスで開催されている「エトランジェ映画祭」で上映されることになり、岩佐はその舞台あいさつのため渡仏。ミレーヌの衣装を身に着けた岩佐は、舞台あいさつに詰めかけた満員の観客に「本日、そちらに行けなくてごめんなさい。とても残念ですけれど、フランスの方々に作品を知ってもらえるようがんばりますので、日本のみなさんも楽しんでください」とメッセージを送っていた。

『009ノ1』の撮影は去年よりスタートし、完成したのは今年の2月。今夏は『劇場版・獣電戦隊キョウリュウジャー』が公開され、本作『009ノ1』、そしてその後にも『白魔女学園』の公開が控えている坂本監督。多忙ゆえに少々疲れ気味かと思いきや、疲れを感じさせないパワーで映画の魅力、見どころを次のように語っていた。

「ふだん僕たちは日曜の朝(戦隊、ライダー)の子供向け作品を作っているんですけれど、シナリオライターの長谷川圭一さんたちと打ち合わせをしていて、『こんなことやったら面白いね』『こういうアクションやりたいね』と出したアイディアが、でも日曜朝じゃ無理だよね、なんて諦めることが多いんです。でもこの映画では、リミッターを解除して、日曜の朝ではできないようなことを詰め込んでいます。女性が観てカッコいいと思うようなヒロインアクションを目指してみましたので、ぜひ女性の方たちにご覧になってほしいです。あの長澤奈央や市道真央が、あんなことやこんなことまでしているので期待してください」

『009ノ1 THE END OF THE BEGINNING』は新宿バルト9ほかで公開中。

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