第70回「ベネチア国際映画祭」にて、9月7日に全国公開されるCGアニメーション映画『キャプテンハーロック』の公式上映が行われ、原作者・松本零士氏、荒牧伸志監督、ハーロックの命をつけ狙う青年・ヤマ役の声を演じた俳優の三浦春馬が出席した。

第70回「ベネチア国際映画祭」レッドカーペットに登場した『キャプテンハーロック』一行

第70回「ベネチア国際映画祭」において『キャプテンハーロック』は特別招待作品となり、映画祭側からは「内容にも胸を打たれたが、アクションかものすごい。ぜひ3D上映をしてほしい」と熱望され、急遽イタリア語字幕版の制作も決定。ジェームズ・キャメロン監督からも「空前の出来、もはや伝説だ」と称され、続々と海外の映画配給会社や78の国と地域からオファーが殺到している。

松本氏が「創作に終わりはない」と現役続投を高々と宣言した公式会見に続いて行われた公式上映は、会見同様に多くの観客が詰めかけた。上映終了後に満員の会場からは大きな拍手が届けられ、スタンディングオベーションはそのまま10分間鳴り止まなかったという。

観客の中には、松本氏の影響で漫画を描き始めたという海外ファンもおり、「オリジナルの漫画とは異なりましたがストーリーがとても良かった。また、グラフィックもとても素晴らしい。西洋と東洋の融合というイメージを受けた。僕の世代では、25歳~45歳の人にとって松本先生の芸術というのはアイコンであり、日本のアニメを象徴する存在。『銀河鉄道999』も『1000年女王』も、全部同じ象徴的で重要な存在だ。リアリスティックで、心がすごく込もっているということを感じた。モーションキャプチャーのテクニックはとても良くできてていると思った」と称賛を送っていた。

左から荒牧伸志監督、松本零士氏、三浦春馬

また、上映後の囲み会見に応じた松本氏、荒巻監督、三浦の3人は世界でのヒットを確信しがっちりと握手。松本氏は「新しい船出が始まりました。この作品(に込められたメッセージ)は、次の者に繋ぎたいという気持ち。新しい航海時代です。3Dはリアル感がありますね。作ったみなさんは大変だったけれど、これからは次第に家庭のテレビも何もかも3Dになる時代ですから、それの新しいスタートラインですね」と確かな手応えを感じているようだった。そして、荒巻監督は「先生からハーロックというキャラクターを5年間預かって、形にするというのが私の仕事でしたので、それを観て先生が(今後の作品について)その気になったということが、僕にとって1つのミッションが終わった感動があります」と、安堵の表情を浮かべていた。